弓柱様は戦国時代生まれ 過去編

友人との話 ページ10

｢はぁ！？継国のお侍さんの巌勝さんに､接吻されたぁ！？｣

そうやって叫ぶのは前も家に来た実鈴

｢シー！……うん…｣

｢嘘でしょぉ！密かに狙ってたのにぃ…｣

｢私とて､望んだことじゃないよォ｣


あの後､巌勝さんとは顔を合わせにくくなり､目を逸らしたりして､誤魔化したりしてる

｢なんならさ…もう一緒に出かけたら？｣

｢はぁ！？｣

｢任務でしか知らない巌勝さんの顔と
普段の巌勝さんの顔
どっちも知りたくない？｣


｢知りたいっちゃ知りたいっ…｣

｢なら誘おうよ！｣

実鈴は､どこからかともなく筆と紙を用意して私の目の前に出した


｢はぁ……｣

『継国巌勝殿
この前は木から落ちた時助けてくれてありがとうございます｡
宜しければお礼に､明後日か明明後日
どこかに出かけませんか？
夜桜 Aより』


鴉に括りつけて手紙を飛ばした

その時
私の心は
返事が来て行くって言って欲しいと
返事が来て行かないって言って欲しいという
両方の気持ちがあった……

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