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気分が悪くて保健室に行きたい、と言うと教師は大袈裟に私の身を案じてくれて、副学級委員の女子に私を連れていくよう指示した。
教室は騒然とし、中には担架を持っていこうとする男子もいてビビる。
なんでそんな事するのさ。
ただ気持ちの気分が悪いだけ、要するにサボりなのに。
兄のモテっぷりといい私といい、もはや本当に呪いだ。
いつもなら授業に集中できたけど、今日は朝から濃すぎた。
なんでもかんでも重く捕らえがちな私は1人で少し考える時間が欲しいし、とても授業を受ける気になれない。
ガラリと保健室の戸を開けると、中はひとつのベットが使用中なだけであって先生はいなかった。
｢あれ、おかしいね。 先生の場所、会議中だってなってる。 授業中に会議なんでしないのに変なの｣
一緒に来た女子がホワイトボードを見て首を傾げる。
有事の際に保健の先生がどの場所にいるか分かるように、ホワイトボードに場所を書いて、マグネットで先生の位置を表示して先生は保健室を出るシステムなのだが。
今日は会議中だと示されていた。
｢急いでてつけ忘れたんだよきっと。 あ、連れてきてくれてありがとう。｣
特に気にもとめず空いてるベッドに入り込む。
女子はどういたしまして、にっこり笑って保健室を立ち去って行った。
途端、ギシリと揺らぐ隣のベッド。
背筋が凍った。
ちょっと待って、と小声で囁く必死な声。
待って、随分と歳のいった声。
TH｢うるせえよ｣
とその小声を気にもとめずに動き出す『彼』は、私がいつもひたすら会いたくてたまらず、今はひたすら会いたくない人物であった。
この音。
聞き飽きた、この不愉快な音。
軋む音、餅を付いてるような音、女から出るカエルのような音、繊維と繊維が擦れる音。
私は吐きそうになって弾かれたように保健室の外に出る。
｢おえっ…｣
嗚咽が酷い。
閑散とした廊下に教師の声が響く。
｢うっ…｣
座り込む。
兄だって、兄だってそうなのだ。
兄はなんでもできる、勉強も運動も皆をまとめるのも授業をサボるのも恋人を家に連れ込むのも自由に恋愛するのも、私に出来ないこと全てできる。
そのひとつのうちに、彼は壁を簡単に超える、というのがあるのを今知った。
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ミユ(プロフ) - 更新楽しみです。 展開がおもしろいので頑張ってください。 (2019年3月20日 16時) (
レス) id: f902fe2651 (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - ぺぺさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - ミウさん» コメントありがとうございます。ヤバイ展開が好きなのでヤバイって思ってもらえるの嬉しいです笑 更新頑張らせていただきます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - サランさん» ありがとうございます。書きたい展開がまだまだ先で書いてる本人が焦れったいです。笑 更新頑張ります！ (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺ - 更新楽しみにしてます！ (2019年3月6日 15時) (レス) id: 330b125b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるちょん
| 作成日時：2019年2月21日 22時
