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なんとなく黒猫を追いかけてしまった。
だってどうせこの後暇になるし。
始業まであと10分もあるし。
猫っていつもどこにいくのか、気になってたんだよね。
黒猫は不思議な程に迷いなくずんずん進んで行った。
いつしか、校舎裏の所にまで来ていた。
そして黒猫がピタリと止まる。
止まった場所は、この場所だと多分化学準備室であろう所だった。
窓によじ登り、何度も窓ガラスをガリガリする黒猫。
やめてよ、傷つくじゃん。
と黒猫を窓から引き離そうと近づいた時。
歳を喰った女の甘い声。
私は黒猫を両手で掴んだまま固まった。
その場から動けなかった。
ガタガタと窓ガラスが揺れている事に気づく。
カーテンが閉められてて中の様子は見えないが、容易い程に分かる。
「あ、っそこ、」
甘い声はどんどんヒートアップして行く。
よく聞いてみると化学の先生のミンジャン先生の声だった。
ミンジャン先生は厳しい目をした、綺麗な先生で、生徒には人気がなかったけど、よく透き通る声が好きで私は気に入っていた。
そのどこまでも伸びるような声が、透き通る声が、男によって今、穢れた甘い声に変わってしまってる事に凄くショックを受けた。
足がすくんで動けなくなっていると、窓越しに男の声が聞こえた。
「ほら、静かにしようよ。」
その凛とした、冷静な声。
私は聞き覚えがあった。
学級委員長として皆をまとめ、ホームルームの時に教室がうるさかったら「静かにしようよ」と言うそのトーンと、先生に言うトーンが、全く同じだったからだ。
そう、私のクラスの学級委員長、チョン・ジョングク。
頭も良くてスポーツ万能で、顔も良くて圧倒的カリスマ性を誇る、文句無しの優等生。
兄の次くらいに顔がいいな〜としか思ってなかったのに、まさか、あの頭良さそうな顔して化学の先生とこんな事に及んでたの?!
信じられない、と唖然としてる間に行為は終わったようで、じゃあ先生職員会議があるから、とパタパタと先生が立ち去る音が聞こえる。
私はヘナヘナと座り込んでしまった。
兄が初めて女の子としてる時と同じくらいダメージを受けたかも…
黒猫はにゃあにゃあと私の周りを回る。
なーにがにゃあだ、アンタのせいでも朝から変なの見ちゃったじゃない。
と黒猫を睨んだ瞬間。
JK「覗き見なんて悪趣味」
ガラッと窓が開いたのだ。
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ミユ(プロフ) - 更新楽しみです。 展開がおもしろいので頑張ってください。 (2019年3月20日 16時) (レス) id: f902fe2651 (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - ぺぺさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - ミウさん» コメントありがとうございます。ヤバイ展開が好きなのでヤバイって思ってもらえるの嬉しいです笑 更新頑張らせていただきます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - サランさん» ありがとうございます。書きたい展開がまだまだ先で書いてる本人が焦れったいです。笑 更新頑張ります! (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺ - 更新楽しみにしてます! (2019年3月6日 15時) (レス) id: 330b125b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるちょん | 作成日時:2019年2月21日 22時