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TH「お前は彼氏とか作んねえの」


ある日の朝、突然兄からそう聞かれた。


その言葉に思わずご飯を口まで運ぶ手が止まる。


今朝の朝食はご飯、昨日作ったキムチチゲの残り、チヂミ、ほうれん草の和え物、キムチ、ナムルだ。


「なんでそんな事聞くの?」


今までそんな事、気にもしなかった癖にさ。


TH「別に? お前俺と同じでモテるのに彼氏作んねえよな〜って。 俺のクラスでも有名だぞお前。 天使だとかなんとか。 あ、女子は王子様の俺の妹だからお姫様って事になるなとかなんとか言ってたぞ。 王子様とか幼稚園みたいだよな」


「ああそう、ふふ、ありがとうって伝えといて。」


苦笑いをして朝食を再開する。


なにがお姫様だ。


お姫様だったら、王子様と呼ばれる目の前のこの人と、とっくに結ばれてるはずなのだ。


TH「で、なんで作んねえの」


「興味がないから、それだけだよ」


TH「嘘。 お前は嘘をつく時口に手を持って行く癖あるんだよ。」


私は一瞬ギクリとした。確かに、さっき口に手を持っていった。


変な所で私を知ってる。


私が嘘をつく時の癖を熟知してる人なんて、多分この兄しかいない。


それがちょっと嬉しかったけど、質問は全然嬉しくなかった。


貴方の事が一途に好きだから他の人を好きになれないだなんて、言えない。


TH「一途に想うほどの好きな人がいるわけ?」


今度こそ心臓が飛び出るかと思った。


リビングに変な沈黙が流れる。


私はなんとも答えなかった。


クラスの男子だよ、とか適当な事言えばいいのに、それすらも言わずに固まっていた。


なんで分かるんだこの人。


TH「あ〜…なんか地雷踏んだ?悪い。それよりさっさと学校行こうぜ、遅刻する」


そう言って兄はキムチチゲの入った器を飲み干して、テーブルを立った。


私も食べかけの食事を残した。


生ゴミ入れの中に残り物を捨てる。


好きな人に振り向いてもらえない恋はなんて辛いんだろう。


誰よりもあの人の事知ってるし、昔から知ってるし、好きな味付けも好きな女の子のタイプも好きな趣味も好きなテレビ番組も好きな色も寝る時間も歯ブラシの色も性格もどんな下着を履いてるのかも知ってるのに。


誰よりもあの人の虜なのに。


好きなのに。


兄は私の事なんか見ちゃくれないから私の気持ちに気づくはずないのだ。





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ミユ(プロフ) - 更新楽しみです。 展開がおもしろいので頑張ってください。 (2019年3月20日 16時) (レス) id: f902fe2651 (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - ぺぺさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - ミウさん» コメントありがとうございます。ヤバイ展開が好きなのでヤバイって思ってもらえるの嬉しいです笑 更新頑張らせていただきます。 (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - サランさん» ありがとうございます。書きたい展開がまだまだ先で書いてる本人が焦れったいです。笑 更新頑張ります! (2019年3月20日 0時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺ - 更新楽しみにしてます! (2019年3月6日 15時) (レス) id: 330b125b93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるちょん | 作成日時:2019年2月21日 22時

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