王子様の妹は果たしてお姫様か【TH】

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どれだけモテても、本当に好きな人に振り向いて貰えないんなら、虚しいだけじゃないか。


この言葉に何度うんうんうんと頷いた事か。


私の兄は学校の王子様。


廊下を通るだけで男も女も道を空け、可愛い女子は群がり、皆ほうとため息をつき、誰もが誰も彼に抱かれたがる。


いつからか、多分小学校高学年ぐらいの時からかな。


兄の隣から可愛い女の子が消えた試しがなかった。


その可愛い女の子は私が見る度にいつも変わってたけど。


でもぶっちゃけ言って私の方が可愛い。


つけまを付けなくたってまつ毛は長いし、ファンデを塗らなくたって肌はシミもニキビひとつもなく白い。


もちろんそんな私はよくお姫様だとか昔から表現されてた。


廊下を通ると男も女も道を空け、イケてる男子は群がり、皆ほうとため息をつき、誰もが誰も私を抱きたがる。


ただ兄のキムテヒョンだけ、私を抱こうとしない、というか兄妹だからそんな概念すらないのである。


私は兄の事が好きだった。


私と似ている目も、綺麗な造形も、美しい指も、歩く姿も、一呼吸をするその瞬間すら好きだった。


そう、私も彼の魅力に囚われた哀れな女の1人に過ぎなかったのだ。


兄は客観的に見て最低だ。


全ての女の子に思わせぶりな態度をとり、かかった可愛い女の子を片っ端から抱き、飽きたら縁を切り、また他の女の子の所へと行き。


悪い噂が立たないのは兄の人柄ではなく顔だろう。


誰もテヒョン先輩はやめた方がいいよ、とは言わなかった。


もうこの学校の一種の呪いなんじゃないかな。


兄を最低だと思いながらも好きだと想わずにはいられない私が言えた事ではないが。


だから私はよりどりみどりな男子の告白を全て今まで断ってきている。


そんな事をしたって兄は振り向く訳ないしただ虚しいだけなのに、変なの。


兄が好きって時点でもう変か。


TH｢A、ただいま。 今日は彼女連れてきたから、お茶用意してくんね？｣


両親は海外出張で度々家を空けていた。


ほぼ私と兄の二人暮らしのようなものだ。


嬉しいはずなのに、神様はなんて残酷なんだろうと思う。


親がいないって事は、要は女を連れ込み放題という事だ。







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