short dream

ORAL / Takuya ページ12

[透明な雨宿り]

you side

友達の知り合いで紹介された

拓也さん。

かっこよくて笑顔が可愛くて

初めてあった時

yt｢俺妹おらへんからAが妹みたいだわぁ〜可愛がるかんなっ｣

って可愛い笑顔で肩を叩かれた



いつも出かける時とか呼んでくれて
今まで苦くてダメだったビールも
拓也さんが美味しさを教えてくれた




私はいつも私の隣にいた

彼のことを本気で好きなのに




ある日いきなり
いらない勇気が湧いてきて





『私…拓也さんが好きです』

『妹じゃなくてちゃんと女として見てください』






こんな

言葉だけを伝えた




それ以来、彼は私を遠ざけている


あぁ…ダメってことだよね
やっぱり妹でしかなかったんだよね。



[今日から本格的に雨が降るでしょう]



彼からのLINEを待つ私はバカみたいで

天気予報なんて耳には届かなかった



仕事に行くとそこにはあきらさんと


彼がいた



平気な顔をして仕事を進めて

終わったらすぐに家へ向かって歩いた




『傘持ってないのに…』

今朝の天気予報が脳内再生されていらいらする

『もういいや』



はじめは早歩きだったけど

『ここ…』

彼と初めてあったお店

彼と初めて2人で食事したお店

お互い相談し合ったbar

いつも喋ってた小さい公園


気付いたら




『なんで家こっちにしたんだろ…』

私の足は公園で止まっていた

雨でびしゃびしゃのベンチに腰掛け

泣きじゃくる私に降りかかる雨は








yt｢風邪ひくよ…A…｣


彼のビニール傘によって止められた

『すみません』

立ち上がると腕を掴まれて

yt｢A傘入って｣

私を傘に入れてご丁寧に

上着まで掛けてくれた

yt｢家まで送るから。｣


進もうとする彼に


『…いいです』


それだけを言って帰ろうとしたのに


なんでよ。

やめてよ。



『離してくださいっ』

yt｢このまま…抱き締めさせて…｣

『最低ですよ…私が拓也さんのこと好きってわかってるくせに』


彼の腕の力が弱まった気がした

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