想い

#7 ページ7

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shima

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「隊長、詳細は」


運転席に伊吹、助手席に俺が乗り込み、車をすぐさま走らせる。
もちろんメロンパンカーだ。


すぐに電話を繋ぎ直し、情報を得る。


『第一小学校付近で刃物を持った男が女性を人質を取ってる。

例の強盗犯の共犯で、主犯のほうだった。多分クスリやってると思う。うまく意思疎通が図れない』


「周りの通行人や住民は」


『確認できているのが、人質の他に女性2名、男性1名が道路に座り込んでいる。

動くと刺す、って言ってるみたい。今は2機捜の201達が対応してる』


「わかりました。刺激しないように近づきます」


『当番終わりなのにほんとごめん。ちょっと今、部署異動でトラブってて隊長室動けなくて。今度お礼はするわ』

「いえいえ、お気遣いなく」



「今日の朝のところじゃん」

通話を終了させた直後、伊吹がギアチェンジをしながらぽつりとつぶやいた。


「……ああ、そうだな」




刃物所持で、人質。一層車内の緊張感が高まった。



「伊吹、勝手な動きはするなよ」

「分かってるよお。志摩こそ、だよ」



鋭い目の伊吹。まるで前みたいなことをしたら怒るぞと言われんばかりに。

苦い顔で黙っていると、返事は、と固めな声の催促。俺は仕方なくハイハイ、と答えた。





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「伊吹、あそこだ。ずいぶん錯乱状態だな」


現場付近に行くと、確かに男が女性を人質に取っているのが分かった。


事件発生からおよそ10分。

犯人はその場をうろうろとしている。
人質の首元に押さえつけているナイフを、時折振り回している様子も窺える。


かなり危ねぇな。そう思った時だった。



「ねぇあれ、今日のきゅるるんちゃんじゃない？」


伊吹が運転席から身を乗り出して現場を見た後、目を丸くしてこちらを振り返った。


そんなまさか。

慌ててもう一度よく見ると、グレーの上着は道路に落ちている。朝と一緒の鞄も見えた。



＿＿＿大きなたれ目に、左目下の泣きほくろ。





「……間違いない、彼女だ」


「防刃ベスト着た？行くよ、志摩」

「ああ」



深呼吸をして、車を降りた瞬間だった。







「＿＿＿＿＿＿＿え、」







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