#27 ページ27
ibuki
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「あれーAちゃん回収しに行ったんじゃないのおー」
車内で待っていても、戻ってきたのは1人だけ。
志摩は助手席に座ると「今診てもらってる。もう少しで帰ってくるさ」と言って水を口にした。
「大丈夫そうだった？」
「ああ。ちょっと要観察だけど」
そっか。
生死に関わる瞬間に立ち会えば、その人の本性が分かる。
＿＿＿彼女の本性は？
あのさあ、と少し真面目なテンションで志摩を呼ぶと、彼は目線だけをこちらによこした。
「志摩ちゃんと彼女、どういう関係なの？」
不意を突かれたようで、普段饒舌な彼はそのまま黙り込む。
まるで水に苦味がついているかのように顔をしかめた。
「関係って……上司と部下？お前と一緒だよ」
「そうじゃなくて〜」
とぼけたような返答に少し食い気味に噛みつく。
志摩の口から聞けないんなら仕方ない。ここで逃げられてたまるか。
今までの言動を思い返しながら、俺は静かに告げた。
「……今回が初めましてじゃないんじゃないの？」
彼はぱちぱちと数回瞬きを繰り返す。
が、次の瞬間には、動揺を隠すようにけらりと笑った。
「野生の勘、か？」
「うーん分っかんないけどお」
分からんのかい、と相変わらず鋭い突っ込み。
いつもならここではぐらかされて終わるんだろうけど＿＿＿＿今日は珍しく志摩がそのまま話を続けた。
「まぁー彼女も都内住みだし？今まで会ったことがあるかもしれない、かもな？」
「……なにそれふんわりしてる」
お前の思考回路が移ったわと志摩が苦笑する。
しかしすぐに笑みは消え、一呼吸おいて声のトーンが下がった。
「……確信がない。
ま、何かあったら相談するさ。相棒」
そう言ってまた彼は水を口にした。
確信＿＿＿ってことはやっぱり志摩ちゃん、心当たりはあるんだな。
Aちゃんと志摩の間にある“秘密”は、なんだ？
彼の浮かない顔と彼女の屋上での姿が嫌に結びつく。
ただ、これ以上今は踏み込むべきじゃない。
素直に自分の心の内を打ち明けてくれたこと。
それにちょっとした嬉しさを感じて、がしっと志摩の肩を掴んだ。
「言ったからなぁ志摩ちゃん！」
「ああっ、うるさいうるさいっ。もう深夜だ大声で騒ぐな！」
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ココロ(プロフ) - みずえさん» コメントありがとうございます！！2で彼女たちの過去が明らかになっていくので楽しみにしていただけると嬉しいです！！よろしくお願いしますo(^-^)o (2020年9月5日 21時) (
レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
みずえ - いつも楽しく読ませてもらっています。夢主と志摩さんの関わりが好きです！2も楽しみにしてます！ (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8f8fdf8959 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぽんきちさん» コメントありがとうございます(*^o^*)楽しみと言っていただけて嬉しい限りです！！少しずつ明かされていくと思うので、不定期だとは思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*^o^*) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんきち(プロフ) - お話の序盤であった志摩との過去の関係や、夢主の推薦研修の件など色々と明らかになっていくのが楽しみです！！これからも更新楽しみにしています！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: 60a8b99502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kokoro | 作成日時：2020年8月11日 17時
