#25 ページ25
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shima
「＿＿＿でも！」
伊吹と同じタイミングでA棟の屋上へ辿り着いた時、扉の奥からAさんの大きな怒鳴り声が聞こえた。
＿＿＿くそ、勝手なことするなといったのに。
俺たちが来たことに彼女は気付いていないようで、その間にも必死に叫んでいた。
慌てて駆け寄り、伊吹と、彼をつなぎとめる彼女の腕を力強く掴み、引き上げた。
罪を償うために、生きろ＿＿＿＿＿
曇りない夜空に、彼女の声は響いた。
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屋上に投げ出された彼女は、泣きじゃくる彼の傍で大きな涙を一粒流した。
そしてゆっくりと立ち上がり、涙声で静かに告げた。
「森田さん。午前0時16分、刑法203条殺人未遂罪で、現行犯逮捕します」
満月に照らされた手錠は、鈍く光っていた。
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「Aさん。帰るよ」
お手洗い行ってきます、と言ったきり帰ってこなかった彼女。どこに行ったのかと思えば校庭の隅にある水飲み場でしゃがみこんでいた。
俺が声をかけても顔を上げる気配はない。
校門の外はパトカーのランプがくるくる。真夜中なのに人が沢山で騒がしい。
森田は犯行を認め、署へ連れていかれることとなった。
専門学生になってから、今日までの3カ月。
森田と早川は少しずつすれ違っていった。友達付き合い、男女関係、学校でのこと……日々の小さな、小さなが出来事が、募っていったらしい。
特に彼を追い詰めていたのは、些細な言葉でのすれ違い。
何度言っても何度伝えてもやめてもらえなかった「言葉の暴力」。
溜め込んでしまった森田には、逃げ道がなくなっていた。
「……勝手に動いてすみませんでした」
首を垂れたまま消え入りそうな声で彼女は謝る。
もう泣いてはいないようだけど、すっかり元気はない。
「肩、痛いでしょ？そこに医務班来てるから診てもらうよ」
ほら、と左手の傍に手を差し出すけれど一向に掴む様子がない。
仕方なく手持無沙汰になった手をポケットへ戻す。
「……何か思い出したの」
触れていいのか触れてはいけないのか。躊躇いながら、ゆっくりと彼女の傍に座り込んだ。
屋上での彼女の姿が自然と蘇る。
『＿＿＿＿貴方は、罪を償うために、これからも生きていかなければいけない！』
かける言葉が見つからず暫く黙っていると、彼女はゆっくりと顔を上げて遠くをぼんやりと眺めて口を開いた。
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ココロ(プロフ) - みずえさん» コメントありがとうございます！！2で彼女たちの過去が明らかになっていくので楽しみにしていただけると嬉しいです！！よろしくお願いしますo(^-^)o (2020年9月5日 21時) (
レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
みずえ - いつも楽しく読ませてもらっています。夢主と志摩さんの関わりが好きです！2も楽しみにしてます！ (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8f8fdf8959 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぽんきちさん» コメントありがとうございます(*^o^*)楽しみと言っていただけて嬉しい限りです！！少しずつ明かされていくと思うので、不定期だとは思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*^o^*) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんきち(プロフ) - お話の序盤であった志摩との過去の関係や、夢主の推薦研修の件など色々と明らかになっていくのが楽しみです！！これからも更新楽しみにしています！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: 60a8b99502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kokoro | 作成日時：2020年8月11日 17時
