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#22 ページ22

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高校に向かう車内は張りつめていた。


分かっている。


こういう時、逃げた彼がどういう行動をとるか。
それを考えるのは容易だった。


どうか事が起こる前に間に合いますように。
これ以上、悲劇を生みたくはない。

上がる心拍数を必死に抑えるように深呼吸を繰り返した。




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事前の電話で、警備を解除してもらうという志摩さんの転機で、到着後すぐに手分けして探すという行動に移せた。


この高校はちょうど3棟。
ここから先は、1人で行動だ。



「彼を見つけたら、必ず無線で連絡。必ずだ。

刺激はするな。勝手な行動を1人で絶対に取るなよ」


車を降りると、志摩さんが鋭い目で私と伊吹さんに釘を刺す。


『合点承知の助』が口癖のあの伊吹さんが、おう、と真顔で頷いた。
それだけで一気に私の緊張感が高まる。


私も素直に返事をして、絶対に勝手なことをしない、と自分の心に言い聞かせた。



時計の長針と短針が重なった。




「行こう」





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きっと3人とも一番最初に行く場所は一緒だ。
言葉にしなくとも、あの目が物語っていた。


とにかく階段を駆け上がり、屋上を目指す。





_____誰のところか。






大きく呼吸をひとつ。静かにドアノブに手をかけた。





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「こちら404Aです、A棟屋上にて容疑者と服装・髪型一致の男性発見しました。血液が付着した凶器らしきものもそばに落ちてます」



屋上へと進む扉を少し開けた時、彼の姿は見えた。そっと扉を戻して小声で志摩さんの指示通りすぐに無線で報告をする。
了解、と2人分の短い返事が、ほぼ同時に返ってきた。



______私のところだった。



足の速い伊吹さんでも、ここに来るまで5分はかかるだろう。
どうか2人が来てくれるまで何も起こりませんように、と手に力を籠める。





___が、その私の祈りも空しく、座り込んでいた彼はゆっくりと立ち上がり靴を脱いだ。






「待って……っ」



しまった、と思った時にはもう声が出ていた。

志摩さんからの忠告はさっきまでしっかり心にとめていたのにはずなのに。あぁ私はバカだ。
私の悪い癖で、感情に蓋をしていないと頭で考えるより先に体が動く。




……今日は感情のスイッチを切り忘れていたことを思い出した。

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ココロ(プロフ) - みずえさん» コメントありがとうございます!!2で彼女たちの過去が明らかになっていくので楽しみにしていただけると嬉しいです!!よろしくお願いしますo(^-^)o (2020年9月5日 21時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
みずえ - いつも楽しく読ませてもらっています。夢主と志摩さんの関わりが好きです!2も楽しみにしてます! (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8f8fdf8959 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぽんきちさん» コメントありがとうございます(*^o^*)楽しみと言っていただけて嬉しい限りです!!少しずつ明かされていくと思うので、不定期だとは思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*^o^*) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんきち(プロフ) - お話の序盤であった志摩との過去の関係や、夢主の推薦研修の件など色々と明らかになっていくのが楽しみです!!これからも更新楽しみにしています! (2020年8月19日 22時) (レス) id: 60a8b99502 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kokoro | 作成日時:2020年8月11日 17時

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