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「第4機動捜査隊。404についてもらうことにする」
隊長は強い眼差しを私に向けて、凛とした声で告げた。
第4……って、この前の働き方改革のやつに伴ってできたって噂の新部隊だ。
記者会見、そういえば桔梗隊長出てたな。
話には聞いていたけど本当にあったんだ。
「えーっ、やった!俺らんとこじゃん!きゅるるんちゃん、よろしくぅ!」
色々と思考を巡らせていると、左隣に立っていた伊吹さんがぴょんぴょんと飛び跳ねながら私の肩を叩いてきた。
右隣の志摩さんはというと、やっぱりなと言わんばかりの顔で隊長を見ている。
「……えっと、志摩さんと伊吹さんが404、ですか?」
「そう、4機捜なら何とかなったの。班長にも許可は取ってる。期間は3カ月。
その間はずっと志摩と伊吹と同じ勤務」
な、なるほど。
「404は、俺と志摩の名コンビ!そこにきゅるるんちゃんなんて超ラッキーじゃーん!」
「俺はこんなにうるさい伊吹と一緒は嫌です」
「そこをしつけるのも志摩の仕事よ」
私を挟んで志摩さんと伊吹さんはまるでコントをしているみたい。
真面目な話をしているはずなのに、笑ってしまいそうになり、咳込みで誤魔化す。
「九重さん。分からないことがあったら何でも志摩に聞いてね」
「えっ隊長〜俺は?!」
「はいはい、伊吹もね」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ3人。
タイミングを見計らって頭を下げる。
「わ、わかりました。これからよろしくお願いします」
とりあえず、今日から私は4機捜の404で研修。
志摩さんと伊吹さんについて動けばいいってことよね。
「有意義な研修になることを祈ってる。
じゃあ……志摩と伊吹はお疲れ様ありがとうと言って帰したいところだし、九重さんは他の2人と合流して座学研修を受けてと言いたいところだけれど」
「さっきのタタキの処理がありますね」
大きな手であくびを隠しながら、志摩さんは言った。
ああ、そうだった。
面倒さが先回りし、思わず溜息が出そうになった。
仕方ない……、けどまぁ、私が偶々あの場に居合わせたことで、迅速に解決できたわけだし。悪いことはしてないわけだし。
「志摩と伊吹は明日少し出勤遅らせるよう調節するわ。だから後処理よろしく。
九重さんは事情聴取終わったらまたここへきて」
「分かりました。じゃ、隊長お疲れさまでした。九重さん行くよ」
「あっ、俺もでしょぉ!」
あ、はい、待って!
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ココロ(プロフ) - みずえさん» コメントありがとうございます!!2で彼女たちの過去が明らかになっていくので楽しみにしていただけると嬉しいです!!よろしくお願いしますo(^-^)o (2020年9月5日 21時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
みずえ - いつも楽しく読ませてもらっています。夢主と志摩さんの関わりが好きです!2も楽しみにしてます! (2020年9月5日 17時) (レス) id: 8f8fdf8959 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぽんきちさん» コメントありがとうございます(*^o^*)楽しみと言っていただけて嬉しい限りです!!少しずつ明かされていくと思うので、不定期だとは思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*^o^*) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんきち(プロフ) - お話の序盤であった志摩との過去の関係や、夢主の推薦研修の件など色々と明らかになっていくのが楽しみです!!これからも更新楽しみにしています! (2020年8月19日 22時) (レス) id: 60a8b99502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kokoro | 作成日時:2020年8月11日 17時