#51 ページ7
(藍沢side)
そう言葉を交わした後、しばらく沈黙が続いた。
Aが何度か口を開こうとしていたが、中々目を合わせてくれない。
＿＿＿「血液内科の如月先生に連絡とって！大至急！」
数時間前の緋山の声が頭の中で蘇る。
今回倒れた原因がただの疲労でないことくらい分かりきっていた。
橘先生や緋山の様子から、突発的なものでもないことも伺えた。
＿＿＿真実は。
.
どれくらい時間が経過したかわからない。
下を向いていたAは、何かを決心したようにゆっくりと顔を上げた。
「……耕作ごめん。ずっと黙ってた。
私、移行期の慢性骨髄性白血病なんだ」
そう言ったAは、いつものように笑った。
＿＿＿それと同時に大きな目から小さな雫がこぼれ落ちた。
「＿＿＿＿＿＿A」
ああ。
守りたい。
暗闇の中で怯えている彼女を救いたい。
そばに俺がいるから、安心してほしい。
そんな想いをうまく言葉にできなかった。
それでも、伝えたかった。
彼女をきつく抱きしめる。思い切り抱きしめる。
Aの体温を感じていたい。ひとりじゃない、それをAに感じて欲しい。
胸の辺りで小さく嗚咽がもれ始めた。
Aが泣いていた。
「っ、耕作……。ごめん……、本当にごめんっ……」
「なんで謝る。謝らなくていい。本当の事を教えてくれてありがとう。
今までひとりで辛かったよな。これからは、俺も一緒に背負うから」
そっと頭を撫でる。柔らかい髪がとても心地よい。
すると、Aは感情のリミッターが切れたかのようにわんわんと声を上げて泣き出した。
珍しいんだ。
彼女がこんなに自分の気持ちを表すのは滅多にない。いつだってニコニコして、明るく振舞っていて。
きっと、心の中で張り詰めていた何かがぷつんと切れたんだろう。
「よしよし、辛かったな。もう大丈夫。安心しろ」
ぽんぽん、と背中に手を回し、Aを落ち着かせる。その間もずっとAはごめん、と謝っていた。
昔から他人に迷惑をかけることを嫌がっていた彼女らしかった。
＿＿＿＿そんなに自分を責めないでほしい。
誰だって迷惑をかけながらじゃないと生きていけないのだから。
ゆっくりと病室の時間が流れる。
徐々にAは落ち着いていった。
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ココロ(プロフ) - あみさん» いいえ〜〜！こちらこそリクエストありがとうございました（＾Ｏ＾） (2018年9月22日 21時) (
レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - リクエスト書いていただけて感謝感謝です（ ; ; ）ありがとうございます！これからも応援してます！ (2018年9月22日 16時) (レス) id: d3315f5237 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ゆめさん» こちらこそいつもお読みいただき本当にありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！！（＾Ｏ＾）完結まで精一杯頑張ります！！！！ (2018年9月17日 17時) (レス) id: 34372602a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 更新ありがとうございます！学生さんとお見受け致しますが、きちんとした日本語そして文章力で大変読み易くて楽しませていただいております。お忙しいとは思いますが、完結まで心から応援させていただきます。頑張ってください！∩^ω^∩ (2018年9月17日 0時) (レス) id: edc643c87b (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 作品みてくれるの!?ありがとう！まじ感謝。 (2018年9月12日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kokoro | 作成日時：2018年9月11日 18時
