Seventy “Das Mädchen hat früher gesprochen” ページ45
その少女は不思議な子供でした。小さいながらに何かを考えたり、自我を周りの子達よりも早く持っていました。
いつも無口で、冷静で、控えめな笑顔しか見せない子。
そのせいか、周りの大人達はその少女の事を化け物を見るような目で見ていました。
それはまるで、物語のテンプレみたいな。
だが、少女は別にその目を気にしませんでした。
少女が生まれた時から、それまでずっと一緒にいた両親がいたからです。
父親は陽気に言います。
_周りの目なんて気にするんじゃないぞ〜?お前はお前らしく生きればいいんだ!_
母親は少女の髪を手で梳きながら、言います。
_貴方は私達の自慢の娘よ!胸を張って生きなさいね〜!_
笑顔で少女に笑いかける両親は、強い愛情というものを感じさせます。
少女はもう、それだけで十分だと思っていました。
少女が二歳になった誕生日。父親は少女に防衛術を習わせようと、自ら少女専属のコーチになりました。
それはそれは、虐待ではないかというくらいの過酷な訓練を少女は積み続けました。
習い始めてから一年経った三歳の時、少女はすっかり、プロにも負けず劣らずの身のこなしが可能になってしまいました。
元々その素質があった。
なら、それを大切な人を守る為に使って欲しい。
娘には、その力がある。その事実に父親は、密かに喜びました。
少女が三歳の誕生日を迎えた時、両親はある人を連れてきました。
それは、二人の兄弟。
一方は、二つ上くらいの黒の鍵のネックレスをした大人びた少年。此方は兄。
もう一方は、少女と同い年ぐらいの銀の鍵のネックレスをした無口の少年。此方は弟
彼らは二人とも、綺麗な黒髪に、黒く澄んだ瞳を持っていた。
_よろしくな!**!_
_…よろしく_
少女も同じ黒髪だったが、彼らみたいな黒く澄んだ瞳は持ち合わせていなかった。
死んだような瞳、とまではいかないが、決して綺麗とは言い難い。少女の瞳は黒く少し濁っていた。
そんな瞳を持っている彼らを羨ましいと思っても、妬ましいとは全く思わない。
だって私は私だから。少女は自分に言い聞かせるように、納得させた。
よろしくという言葉と同時に差し出される二つの手に、少女は同時に片手片手で二つの手と握手をした。
そして、いつもの控えめな笑みを浮かべながら
『よろしくね』
握った手を少しだけ強く握った。
Das Mädchen hat früher gesprochen 少女の過去話
Seventy One “Das Mädchen hat früher gesprochen”→←Sixty Nine “Ein Versprechen”
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紫
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SAKURA(プロフ) - イルサーさん» マジっすか!?変換されてない部分があったと思います!訂正致しますので、少々お待ち下さいませ! (2018年12月1日 7時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
イルサー - 名前が小雪から変えられないのですがどうしたらいいですか? (2018年12月1日 0時) (レス) id: ac8521eb4f (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - りゃくやさん» そうですか…やはり行くべきですかねぇ…コメント&お気遣いありがとうございます(^^)お互い大変ですね(^_^;)声、お大事になさってくださいね! (2018年11月15日 23時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
りゃくや - 病院行ってください、僕も先月合唱祭の日熱出しながらも歌ったら、声可笑しくなりましたから、まぁ僕病院行ってませんけど (2018年11月15日 23時) (レス) id: ede8872d44 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - パーカー好きさん» お気遣いありがとうございます!パーカー好きさんも気をつけてくださいね(^^) (2018年11月15日 0時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SAKURA | 作成日時:2018年10月23日 0時