Sixty Eight “Trauer” 教授side ページ43
ゾ「…誰や」
私がアザミの意味を教えた途端に、ゾムさんが狼のような唸り声を含ませた声で会議室の窓へ睨みつける。
言い終わった途端、シュッ!!と風を切る音と共に、会議室の窓に小型ナイフが向かっていく。
呆気なくバリンッ!と割れるガラスを全員がポカンとした顔を浮かべた。
ガラスを割った本人は、変わらず窓を睨みつけたまま臨戦態勢に入る。
すると…
ガッシャーン!!
ガラスが完全に割られ、そこの窓の縁に人影が立った。
『ただいま帰りましたー』
悠長な口調と共に白いフードが揺れた。
其処にはAさんが口元に弧を描いて笑っていた。
だが、違うところがたくさんあった。
彼女の純白のパーカーは、いつもゾムさんが戦闘を終了した後のパーカーと同じだった。
彼女の純白のパーカーは、右半身から左半身にかけて鮮やかな赤色がべったりとついていた。
そして極み付けに、彼女の右頬も一本の赤が走っていた。
そんな恐ろしい姿を見て、私の体はぞわりと鳥肌が立った。
…そして、最も恐ろしいことが一つ。
今の笑顔も、仕草も、まるで人を殺しに言ったとは思えない振る舞いが、とても恐ろしかった。
それは…振る舞いが全く自然過ぎて、今目の前に広がる光景を幻覚として捉えてしまうくらいに。
血まみれの彼女の身体を見て、恐ろしいという感情は、日常生活のような振る舞いと相まって、中和されたように不思議な気持ちへと誘われた。
ゾムさんが投げた小型ナイフは、Aさんの右手の中に収まっていた。
『よく寝れた?』
すっかり砕けた口調に戻った彼女は、この空気感の中で場違いだった。
遠慮や謙虚さをなんて知らないとでも言うように。
グ「…何処に行っていた?」
『ご挨拶』
そう行って北側の方へ指を指す彼女。北側には、やはりN国がある方向。
ト「おまっ!風邪ひくやろ!?」
ぺ「はい。タオル!」
『あー…大丈夫。勝手に乾くかrぺ「ん?(黒笑)」…ありがと、お母さん。』
ト「誰がおかんや!!」ぺ「どういたしまして〜」
トントンさんとしんぺい神さんの真反対の返答に全員が笑いを浮かべた。
当の本人であるAさんは、何処か遠くを見つめていた。
『…アザミ』
それっきり言葉を発さなかったAさんと、言葉を待っていた私達。
言葉を出したのは私。
「…“独立”ですね。」
そう私が言葉をこぼす。
『…流石教授さん。当たりだよ」
答えた彼女は、やはり憂いを帯びていた。
教授side end
Trauer 憂い
Sixty Nine “Ein Versprechen”→←Sixty Seven “independence” 教授side
ラッキーアイテム
トルコ帽
我々だ!カラー
紫
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SAKURA(プロフ) - イルサーさん» マジっすか!?変換されてない部分があったと思います!訂正致しますので、少々お待ち下さいませ! (2018年12月1日 7時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
イルサー - 名前が小雪から変えられないのですがどうしたらいいですか? (2018年12月1日 0時) (レス) id: ac8521eb4f (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - りゃくやさん» そうですか…やはり行くべきですかねぇ…コメント&お気遣いありがとうございます(^^)お互い大変ですね(^_^;)声、お大事になさってくださいね! (2018年11月15日 23時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
りゃくや - 病院行ってください、僕も先月合唱祭の日熱出しながらも歌ったら、声可笑しくなりましたから、まぁ僕病院行ってませんけど (2018年11月15日 23時) (レス) id: ede8872d44 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - パーカー好きさん» お気遣いありがとうございます!パーカー好きさんも気をつけてくださいね(^^) (2018年11月15日 0時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SAKURA | 作成日時:2018年10月23日 0時