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「か、一虎くん怒ってます?」
「怒ってないよ」
あれから数時間、解散の合図と共にメンバー達は帰っていった。残っているのは私と場地、それと先程まで気を失っていた一虎だけだ。
「怪力ゴリラも伊達じゃねぇよな」
「黙れ場地!お前も殴られたいか?」
挑発してきた場地に掴みかかれば負けじと場地も掴みかかってくる
「総長に向かって図がたけぇんだよごら!」
「総長なら心が狭すぎんだよ!」
ギャーギャーと騒ぐ私達を一虎はつまらなそうな顔をして見ていた
「…仲良いんだな」
「「はあ!?誰がこんな奴と!」」
場地に中指を立てると小学生かよ。なんてすかしやがった。私のが大分年上ですが!!
「俺も、マイキーがいなきゃそこにいれたのかな」
「…一虎」
何でそんな事言うんだよ。それじゃまるで私達ダチじゃないみたいじゃないか
「Aが総長になったんだよな?」
「あ、うん」
「じゃあ俺、芭流覇羅抜けないとだね」
「だから何でそうなんだよ!!私は一虎がいるって聞いたから此処にきたんだよ?」
「…へ?」
「マジだぜ一虎。なんせ俺が教えたからな」
何回、学校に通い詰めたと思ってんだよ。そのせいで一虎のストーカーだって思われているんだぞ
「一虎、私が悪かった…ごめん!ガキだったなんて言い訳をするつもりもない。あの日私がお前を傷つけたのは事実だ。だから…許さなくてもいい。でも頼む!芭流覇羅を抜けないで…」
我儘だって分かってる。でも私にはお前が必要なんだ
「…いいの?俺がお前の側にいても」
「それは一虎が決める事だ」
「ウッ…ウッA!!」
私は子供みたいに泣きじゃくる一虎を抱きしめた
「これからはずっと一緒だよ、一虎」
一虎の涙が枯れ果てるまでずっと…
「A!」
「ん、何?」
「いや呼んでみただけ!本当にお前が来てくれたんだなって思って」
「なんだそれ…可愛いすぎでしょ!」
ようやく泣き止んだと思えば一虎は昔の様に私に向けて笑顔を見せた。尻尾が見えるのは気のせいかな?
「取り込み中悪ぃけど、俺学校あるから帰るわ」
「え!もうそんな時間!?」
建物の中にいたから気づかなかったけど確かに扉の隙間からは僅かな光が差し込んでいた
「眠いし俺も帰ろうかな」
そうだね…私も今日は疲れた。
早く帰って愛しのケンケン…
「まって!」
「何だ?お前も学校いかねぇとヤベェだろ」
「その前に…誰かお家泊めてくんない?」
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作成日時:2022年3月2日 3時