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「義務教育で留年ってマジかよ…」
見知らぬ中学に忍び込んだ私はそんな小言を漏らす
マイマイから場地の中学とクラス名が書いた紙を貰ったはいいものの、クラス名の横には普通ならありえない一年の文字が書かれていた
え？場地ってケンケンと同いでしょ？なんて思ったが
どうもアイツは義務教育にて留年と、奇跡的な快挙を成し遂げたらしい
「てか放課後だし、場地とっくに帰ったんじゃ…ほらこんな時間に残ってる奴なんてああいう真面目そうな奴なんだよ」
場地のクラスと思われる教室にはたった1人、七三メガネに辞書を読む男子が1人いた。
チクショウ…不良ならまだよかった
万年テスト最下位の私は
ああいう奴に話しかけるには少し勇気がいる。
だってアイツら勉強とタイマンはって勝てちゃうんだよ？
もはや最強以外の何者でもないって！
いやでも折角来たしな…場地が帰ったかどうかだけでも確かめないと
「あ、あのすいません…場地圭介君ってこのクラスですか？」
「あ？」
ひぃやっぱ怖ぇよ！助けてケンケン！ガリ勉君、絶対怒ってるよ！？見た目と反して乱暴な声を聞き私の恐怖はMAXに達していた
ここはもう逃げよう。これ以上は私の精神がもたない
そんな事を思い逃走体制を取ろうとしたときだった
「え、A…？」
不意に彼の口から発せられるはずのない名前を呼ばれ
逃走どころか体が硬直してしまった
「どちら様でしょうか？」
「俺だ。俺、場地圭介」
私は混乱した。
先程まで七三眼鏡だった筈のソイツが
見覚えのある八重歯をニッと見せながら笑っているのだから
「…ガチ？」
「ああ、見ねぇウチに大分大人になっただろ？」
確かに髪の毛は長くなってるし…背も随分伸びてる。
いやいやいや、それじゃさっきの真面目君はいずこへ！？
「あコレ？俺、留年しちまってよ。マイキーが眼鏡かけたら賢くみえるっつうから買ってみた。どう？いいだろ」
いいだろって…それ、意味あんの？確かに私だって騙されたけど中身が場地なのは変わらなくない？
「とりあえず座れよ、久しぶりだし話す事沢山あるだろ？」
コンコンと隣の席の椅子を叩きながら
早く来いよ。
と言う場地
私は言われるがまま無言で彼の隣へと座った
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作成日時：2022年3月2日 3時
