12年後 side武道 ページ7
ヒナが殺された…俺の目の前で…ダチだったはずのあっくんに…
「俺が過去の東卍のトップになる！」
ナオトに誓ったあの日俺はAさんに会いに行こうとした。
だけど、どれだけ探しても彼女にまつわる情報はない
そして唯一見つけた手がかりがドラケン君が今、大罪を犯し捕まっていると言う情報だった
「久しぶりだな、無事で良かった」
「ドラケンくん！」
昔とは違い坊主頭になってはいたものの俺に向けてくれる笑顔は前と変わらないドラケン君のままだった
「で、何の用だ？」
「俺…ドラケン君がこうなってる事しらなくて…その東卍はどうなったんですか？」
「東卍か…ガキの頃は良かったな。ただチームでかくするって突っ走ってよ。喧嘩、喧嘩で毎日が祭りみてぇで…東卍は俺の全てだった。姉貴も仲間になって皆んなで馬鹿やってた時が一番楽しかったんだ」
話をするうちにドラケン君の顔がだんだんと曇っていく。
「そう…嬉しかった。マイキーがいて姉貴がいて…アイツらが結婚して俺がマイキーの弟になるんだって…」
「あのAさんは今何処にいるんですか？」
「…は？なめてんのか？テメェも知ってる筈だろ！姉貴が死んだ事！」
Aさんが…死んだ！？そんな筈ない！
俺はあの人が意識を取り戻した所を見たんだ
Aさんが死ぬ筈なんて！
「俺はあの日の事を悔やんでも悔やみきれねぇ…血塗れで倒れる姉貴にただ泣いて抱きしめる事しかできなかった。マイキーが姉貴を殺したなんて信じたくなかった！」
ちょっと待て…ドラケン君は一体なんの話をしてるんだ？マイキー君があの人を殺したって言ったのか？
「全てアイツのせいだ。姉貴を殺すようマイキーを唆したのも… 稀咲鉄太…俺はアイツを絶対ゆるさねぇ！！殺してやる…生まれ変わっても俺は絶対にアイツを殺す！」
ドラケン君から放たれる殺気に思わず身が縮んだ
「稀咲って！あのっ！？」
その瞬間ブザーが鳴りドラケン君は監視に呼び戻されてしまった
「タケミチ…東京から離れろ」
「えっ？」
彼は最後に言った
「稀咲は…マイキーの大切なもん全て奪いたいんだよ」
マイキー君の大切なもの
その言葉で俺の頭に1番に浮かんだのは
Aさんだ。
稀咲のせいでマイキー君が唆されてそして今の東卍に…
未来が変わらなかったのは稀咲のせいだっていうのか？
「…武道くん。やる事は分かってますね？」
「稀咲を潰す。俺はアイツをゆるさねぇ」
「頼みましたよ」
「ああ、行ってくる」
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作成日時：2022年3月2日 3時
