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百一話 ページ10

思い出してみれば太宰さんとは彼がポートマフィアに入る前から縁があった。


彼に会えたのは奇跡だ。当時まだ能力を使いこなせていなかった私はあの人に頭を下げた。


それは原作のキャラクターだとか、声がカッコいいだとか、イケメンだとか、そんなことを気にしてはいられないほどあの時私は焦っていた。このままでは自身の能力で死んでしまう。不自由な生活から少しでもマシだと思える生活を送れるようになりたかった。


他人の考えることなんて知りたくなかった。普段と変わらず遊んでいただけなのに姿形が消えてしまってみんなはさぞ驚いたことだろう。目を合わせただけで動物が石になり砕けたときは尋常ではない吐き気がした。好きで使っている訳でもないのに内臓にダメージを負い血を吐くなんて最悪以外の何物でもない。不満なんて数えきれないほどあった。能力を使いこなせるようになってからは幾分かマシにはなったが不満が無くなった訳ではない。


最初は神を恨んだ事もあった。


父は私が生まれる前に、母は病で先立たれた。そんな設定誰も望んではいないのに。何故父は私が生まれる前に亡くなった?母の病の病名は?何一つ分からない。少しくらい背景説明をしてくれたっていいじゃあないか!ハッキリ言って信憑性がなさすぎる!いつからか私は自身のルーツに疑問を覚えた。太宰さんはそんな私の疑問を一緒に解決してくれた人でもある。大切な人を一緒に失ってしまった人でもある。面倒事を押し付ける人で、面倒くさい性格で、ウザいくらいに絡んでくる人。いくら私が遠ざけようとも何故か鉢合わせる。立てば首吊り座れば完全自 殺読本を読み歩けば入水をする変人。そんな彼は今度は同じ職場で働く同僚だ。現在進行形で縁を切りだがっている中也さんはさぞポートマフィア時代苦労を強いられたことだろう。少し付き合いが長い先輩からの助言としては、諦めろ だ








A「────まぁでも、こんな腐れ縁も悪くはないのかもしれないね」


目を細めフッと笑みをこぼす。そろそろ目的地に向かわなければ太宰さんに小言を言われるやもしれない。それは勘弁だ


A「それじゃあまた来るよ……じゃあね」


そう言って立ち上がったAは墓を後ろにして立ち去った


目指す目的地はある建物の駐車場


これから私は、坂口安吾に会いに行く


そして車の衝突事故に巻き込まれて────







────一回死ぬ

終わり ログインすれば
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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 転生トリップ , カゲプロ能力   
作品ジャンル:アニメ
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椰子の木 - とても面白かったです。主人公ちゃんが好きっ……更新、気長に待ってます! (2021年4月4日 13時) (レス) id: ba602e5c79 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ!これからも更新頑張ってください!応援しています。 (2019年9月1日 16時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
夏季 - いつ頃に出来る予定ですか? (2018年12月31日 18時) (レス) id: 91cbce1967 (このIDを非表示/違反報告)
夏季 - 主人公は出さなくていいです。宜しくお願いします! (2018年12月29日 7時) (レス) id: a5c09ccca7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - 夏季さん» それとリクエストって普通に蛇と本の主人公出しちゃっても良い系ですか? (2018年12月29日 7時) (レス) id: cf6dea145d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レン | 作成日時:2018年12月27日 17時

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