蛇と本3【文豪ストレイドッグス】

九十七話 ページ6

ぶつかったQは


夢「籠のなぁかのとぉりぃは」


敦「……！？」


不気味な笑みを浮かべ『かごめかごめ』を歌いだす


服の袖を捲くり剃刀で傷つけられたテープまみれの腕を此方に向けてくる


夢「いついつ出遣ぁる」


ギャハハハハハハ！！


夢「後ろの正面だぁれ？」


Qが持っていた人形が宙に浮き笑い出す


そりゃもう尋常じゃなく不気味に


本当にあの声どっから出てるんだろう


そう思っていたのも束の間、人形は不気味に笑いながらも


自身を頭から裂いた


始まった


お兄さんを見ると腕に手形が浮き上がり目から血を流していた


これがQの異能にかかった証拠だ


ナ「敦さん！？」


A「春野さん、ナオミさん！ちょっと其処から離れてください！」


春・ナ「え？」


【隠す】


これで二人はお兄さんから認識されない


さて、どうしたものか


太宰さんが居ない限りこれはどうしようもない


だから太宰さんが来るまで持久戦だ


手っ取り早いのは【合わせる】を使うことだけど


A「うわっ！あっぶな！」


お兄さんは今二人を認識できていない


だから自分だけを狙ってくる


これがまた面倒臭くて


お兄さんは手足を異能で虎化させ反撃して来るのだが


凄い力で殴り掛かって来るし素早いであれこれ考えてると攻撃を食らいそうだ


A(一体どんな幻覚を視せられているのやら)


一瞬だ


そんな事を考えた私は動きが止まった


それをお兄さんは好機だと思ったのだろう


A「ッ！」


虎の爪が頬を掠れた


頬から血がたれ地面に落ちる


しかしその傷は直ぐに治る……が


首をつかまれてしまった


敦「見ろ！此れが僕だ！僕の力だ！」


異能で強化された腕で思いっきり首を絞められる


A(こりゃ凄い、首に力を入れないと簡単に首がへし折れそうだ……今まで首を絞められた事は何回かあったけど、これが一番強いかな？)


なんて暢気に考えているが地味に辛い


咳が出て酸素も取れない


まるで水の中に居るみたいに息が出来ない

　
だけど

　
A(やっと来た)


太「止めるんだ敦君！良く見ろ！」


敦「え……？」


A「あ、気付いた」


線路の向こう側から走ってきた太宰さん


久々に大声を聞いて気がする


敦「そんな、最初から僕が…？」


A「ッ！ゲホゴホ！お兄さん？」

パッと首を絞める手が離された


上手く着地が出来ず座り込んでしまったが


お兄さんの顔を見上げると


とても酷い顔をしていた

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