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「もう一生どこにも行かへん」
その言葉を聞いた私は
彼の腰に手を回しぎゅっと強く抱き締めた。
彼に抱き着くのはもしかしたら初めてかもしれない。
いつもは彼が私にくっついていたから。
「どうしよう、めちゃめちゃ嬉しい....」
「なんで、？」
「Aさんがくっついてくれとるの、嬉しい、」
「数ヶ月会えなかったんだもん、このくらい、」
「なぁ、」
「なに、？」
「キスしても、ええ？」
「っ、！ここ、会社だから、」
「あかん？」
「....ちょっとだけ、なら、」
雰囲気に飲まれて許諾してしまった私は
この後少しだけ後悔することになる。
「っ、こーじ、ダメ、」
「ダメやない」
何処で覚えてきたのだろう。
あまりに深くて濃厚な口付けに腰の力抜けていく。
彼は砕けた腰をグッと支えるようにして
ニヤリと笑う。
「A、」
急な呼び捨ても、そのしたり顔も。
全てが心臓を締め付ける要因にしかならない。
「続きはまた後で、な？Aさん」
そう言って軽く頭を撫でて給湯室を出ていった。
その後は仕事は正直手に付かなかった。
皆の記憶がなくなってしまったこと
康二が戻ってきたこと
その彼が大人になりすぎていたこと
目の前で起きたことが脳内のキャパを超え
ぐるぐるしてしまい上手く頭が働かなかった。
「Aさん」
「っ！」
康二から声を掛けられて思わず体が跳ね上がる。
「そんな驚かれたら傷つくなぁ、」
「ごめ、そんなつもりじゃなくて、」
「んー、まぁええか。この話は家帰ってからで」
帰ろ？
そう言って私の手を包み込んで歩き出した。
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みう(プロフ) - また卵失敗してもうた！で泣いちゃいました(；；)cleamさんのお話、とても大好きです、！今全部読もうとしてる最中です！ (2021年3月12日 22時) (
レス) id: 90ad8ea26a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - りおさん» コメントありがとうございます！ちょっと不思議なお話だったと思うのですが、涙していただけてとっても嬉しいです◎いつもお読みいただきありがとうございます！ (2020年8月26日 10時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - え、終わり方最高すぎて控えめに泣きました…creamさんいつも見てますっ！ (2020年8月26日 0時) (レス) id: 4ecef1a410 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - 小雨さん» ありがとうございます(TT)いつもの書き方と変えた作品で少し不思議な終わり方だったのでそう言ってもらえてとっても嬉しいです(TT)いつか、書けたらなと思うのでその日までのんびり待っていてもらえると嬉しいです....！ (2020年8月2日 8時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
小雨(プロフ) - 本当に、大袈裟ではなくて、初めてこのような小説で泣いてしまいました。すごく読みやすかったし入り込みやすかったし、なによりとても感動しました。いつかまたこの続編があることを願っています、いつも素敵なお話をありがとうございます。◎ (2020年8月1日 3時) (レス) id: c76304869a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2020年6月4日 12時
