清き月の華〖ハートの女王〗 (ページ9)

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第9話恐怖に縛られるページ9

植物園はとても広く大きい。
そこでエースさんは右に、デュースさんは左に、私達は真ん中を進み、カゴ等を探し歩いた。

植物園の中は美味しそうな果物や植物があり、グリムは目を輝かせていて、ユウさんは見たことのない植物に目が興味津々なようで歩きながら辺りを見渡している。

「──いって！」

私がグリムが植物園内のものに手を付けないように見張っていると後ろから声がした。

私とグリムは後ろを振り返る。

「今何かを踏んだような」

私達がユウさんの足元に視線を向けると、ユウさんが通った所にはライオンのしっぽがあった。

「おい。人の尻尾踏んでおいて素通りとはいい度胸たな」

現れた人物を見て、以前ガレンさんが言っていた人物の事を思い出す。

(サバナクロー寮寮長レオナ・キングスカラー!?)

「こちとら気分よく昼寝してたとこだってのに思いっきり尻尾踏みやがって。最悪だ」

「すみません！」

慌てて謝るユウさんを見て、彼は思い出したかのようにじっと見つめる。

「お前……入学式で鏡に魔法が使えないって言われた草食動物とトカゲ野郎のとこに選ばれた女か。ふぅん……」

次の瞬間。

ユウさんはレオナさんに匂いを嗅がれていた。

「……はっ。本当にちっとも魔力の匂いがねぇ」

次にレオナさんは私の手首を掴み、引き寄せ私の魔力の匂いを嗅いだ。

私は突然の事に驚き、怖くて固まってしまった。

その間、ルミネが威嚇をする。

「……お前、変な匂いがするな」

それ以上は何もせず、彼は手を離すが、私は恐怖から動くことができなかった。

そこに同じサバナクローの生徒が乱入してくれたおかげで事態は収まった。

エースさんとデュースさんはカゴとトングを見つけたようで、私達は栗を拾いに行った。