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第8話 言葉 ページ8
食堂の件もあって私は学園裏の森を訪れる。
まだ誰も来ていなかったので暇潰しに木の上で歌を口ずさむことにした。
私は人前で歌わない。
歌えば、人として見てもらえないから。
『どうして普通に歌えないの？』
『変な歌。何言ってるのかわかんない』
今でも時々怖くなる。
もしも、誰かが自分の歌を聞いていたら…また人として見てくれないんじゃないかって。
私の記憶の中にある歌はどこの国の言葉かもわからないものだから。
どれくらい経っただろう。
時間を忘れ、自然の音に耳を澄ましていると
「あいでっ！ ふなﾞー!! 栗の棘が肉球に刺さったんだゾ！」
グリムの声が聞こえ、下を見るとそこにはすでにユウさん達がいた。
そのタイミングで木から降りる。当然だが驚かれた。
「うわっ！ …ってA？」
「驚かさないでほしいんだゾ」
「驚かせてしまってごめんなさい。今から私も手伝います」
そんなこともあって私達はカゴをとりにいくため、植物園に向かった。
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作者名：泡沫の猫 | 作成日時：2020年4月6日 9時
