清き月の華〖ハートの女王〗 (ページ6)

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第6話口は災いの元ページ6

前から思っていたが、リリアさんは小柄なせいか可愛く見える。

「うちの学校は飛び級入学がアリだが、彼は子どもじゃないぞ。俺たちと同じ3年生の…」

「リリアじゃ。リリア・ヴァンルージュ」

突然、リリアさんが真上から顔を出す。

「「「!!」」」

「コ、コイツ、瞬間移動したんだゾ！」

瞬間移動かはわからないが、リリアさんは入学式の時のように逆さまの状態で現れた。

「お主ら、わしの年齢が気になるとな？クフフ。こんなにピチピチで愛らしい美少年のわしだが、確かにそこの眼鏡が言うように子どもとは呼べない歳かもしれんな」

「ピチピチ…」

「遠くから見るだけでなく気軽に話しかけにくればよかろう。同じ学園に通う学友ではないか。
我がディアソムニア寮はいつでもお前たちを歓迎するぞ。
そうじゃろ？A」

「はい！」

私が元気よく答えるとリリアさんは嬉しそうに笑う。

「食事中、上から失礼したな。ではまた、いずれ」

そう言うとリリアさんはさっと元の場所に戻っていった。

「あっちの席とオレたちの席、軽く20メートル以上離れてんのにオレらの話が聞こえてたってこと？コワッ！」

「ま、まあ……そんなわけでディアソムニア寮は少し特殊な奴が多いイメージだな。魔法全般に長けた優秀な生徒が多い」

寮長のマレウス様は世界で五本の指に入る魔法士と言われているらしい。

「マレウスくんは正直、ヤバヤバのヤバだよね。つか、それを言うならウチの寮長も激ヤバなんだけど～」

「ほんっとにな！タルト一切れ食ったくらいでこんな首輪つけやがって。心の狭さが激ヤバだよ」

「ふうん？僕って激ヤバなの？」

エースさんの後ろにかなり怒っているような表情で腕を組んでいるリドルさんの姿があった。

「そーだよ。厳格を通り越してただの横暴だろ、こんなん」
　

どうやら気付いていないようだ。

「エースさん！」

「後ろ！」

私達の声でやっと気づいたようで、エースさんは目を見開く。

「でぇっ！寮長！」