清き月の華〖ハートの女王〗 (ページ5)

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第5話噂の内容ページ5

午前の最後の授業が終わり。

私はルミネと一緒に食堂に向かうと相変わらず込み合っていた。初めは戸惑いはしたが、少しずつ慣れてきている。

軽めのものを取っているとデュースさんに声を掛けられる。

彼に着いていくと其処にはハーツラビュルの方が何人か集まっていた。

「デュースちゃん、後ろには誰……って噂の女の子じゃん!! 噂通り、綺麗で可愛い！」

声がかかった事から怖くなり、ユウさんを見つけて反射的にその後ろに隠れる。

突然のことだったのに関わらずユウさんは「大丈夫？」と声をかけてくれた。それに申し訳なさを感じながら私は頷く。

「なんかオレ、怖がらせちゃった？」

「貴方は…？」

「オレはケイト・ダイヤモンド。ハーツラビュルの三年生だよ」

その時、隣にいたトレイさんと目が合った。

「ん？ Aじゃないか」

「！トレイさん」

「二人は知り合いなの？」

「この前、図書館で会ってな」

「えー。トレイくんずるい！」

既に噂の子と知り合っていたことに小さな嫉妬心を見せるケイトさんに私は噂について尋ねた。

「あの、学園で広まっている噂(？)というのは、どんな内容なんですか」

「あー…噂っていうのはね。この学園で唯一の女子生徒で茶髪に碧眼という特徴的な容姿。更にあのディアソムニアに入ったから、上級生の間では結構話題で実際どんな子なのか気になってたんだ」

「私の知らないところでそんな噂が…」

「無理もない、あのディアソムニア寮に入ったんだからな」

「黄緑と黒の腕章が目印。あそこはなんつーか、超セレブっていうの？オレたち庶民が話しかけづらいオーラ放ちまくりなんだよね。寮長からして近寄りがたさMAXっていうか……」

ユウさん曰く、トレイさん達から各寮についての話をしていたらしい。

「だけど、Aちゃんは近寄りがたさはあんまりないよね」

「大人しい雰囲気があって、どこかハーツラビュルに近いものがあるな」

「そうなんですか？」

ハーツラビュルの生徒は明るい生徒が多いイメージなので、自分がそれに近いと言われてもピーンとこない。

「あれ？子どもが混じってる」

「ん？あれは…」

そこにはエースさんが見つめる先にはリリアさん、シルバーさん、セベクさんがいた。