i 騙すように【HUNTER×HUNTER】 (ページ19)

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17.針ページ19

日が沈みヨークシンの街並みに夜が訪れた頃
私は二年前、ヒソカと初めて出会ったバーを再び訪れた。

ヒソカとはもう仕事の関係で一週間以上会えていない。この間の電話からも五日は経とうとしている。

今日はそんな二人の久しぶりの再開となるわけで、なんとなく落ち合う場所をこのバーに指定した。

思い出に浸りたい訳では無いけど、ヒソカとももう長い付き合いだ。仕事のパートナーとはいえまる二年もの間ほぼ毎日一緒に行動を共にしていて情がない訳でも無い。

そんなヒソカがイルミと会った、という日以来会えていないというのは些か不安なものがある。
連絡は取れているものの、正直直接会って生存の安否を確かめたいというのが本音だった。

酔いもしないお酒の入ったグラスを傾ける
グラスに影が揺れた

｢やあ姉さん。｣

気配がしなかった。
わかってしまえば感心してしまうほどの絶

気付いた時には遅く私の首には針が添えられていた

声をかけてきたのはヒソカではなく

＿＿＿イルミであった。

｢…人違いをしていませんか。｣

｢馬鹿だなあ。俺が姉さんの念がわからないわけないだろ。｣

そういってイルミはもう一本針を取り出し、私の腕に突き刺した。
痛みに鈍くなってしまった腕から流れ出す血液に反応するように私の体は変化する。

髪は銀色に染まり、目はサファイアのように青く光る。ああ、これは言い逃れができない…思わず深いため息をついてしまう。

｢…久しぶりイルミ。｣

｢うん久しぶり。あ、ちなみになんで俺がここにって思ってると思うけどヒソカは関係ないよ。飛行船の情報ちょっと盗み見ただけだから。｣

｢間接的にだけど姉さんを見つける手伝いをしてくれた訳だし、最後の別れくらいはさせてあげるよ。｣

人の腕にぶっ刺したままの針を抜きながらイルミは言う