i 騙すように【HUNTER×HUNTER】 (ページ16)

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14.ヒソカページ16

｢いいね、それ♤｣

まあ、隙さえあれば彼は私を殺しにくるだろうけど。家を出た途端私が殺されたってなったらイルミはどう思うだろうか。

そこまで考えて、ふと一つ問題を思い出した。

｢あ、やっぱりもう一つ条件。｣

？と疑問をうかべる青年。

｢名前を貸してもらってもいいかな。｣

＿＿＿＿＿

｢君の愛しの弟君、そろそろ200階クラスに到達するらしいね♤｣

突拍子もなく話しかけられる。

｢何が？｣

｢天空闘技場♡｣

ああ、キルアか。私が家を出る頃、そういえば父さんがキルアを天空闘技場に放り込むとかなんとか言ってたような。

｢そういうヒソカは200階クラスで永遠と何をしているのさ。｣

目の前にいる男__ヒソカ＝モロウは出会った頃とは変わって、ピエロのようなメイクをしたさらに奇抜な男になっていた。

｢つまらない相手と戦ったって面白くないだろう♧｣

ぐしゃり、と先程まで人だったものを踏み潰しながらヒソカは歩く
私がヒソカと組み出したのは二年前。

あの家を飛び出してからというものの、私はヒソカの名前を借りてA＝モロウを名乗っていた。いや結婚したとかじゃなくてあくまで名前を借りてるだけね。

念能力で彼と同じ赤色に染めた髪の毛に、黒いキャスケットを深く被りサングラスを掛けた私の姿にA＝ゾルディックの面影は残っていない。

しかし彼は私が思っていたより何倍も頭がおかしいやつだったらしく、正直この二年の間に何回組み手と称して殺されかけたか覚えていない。
そんなに殺されかけても尚ヒソカと組み続けている私の方が狂っているのかもしれないけど。

そうだ、とヒソカが何かを思いついたようにこちらを見る

｢こっちにきたついでだし、Aも天空闘技場見に行こうか♡｣

その姿なら弟君も君だとは気付かないだろう？と楽しそうに笑うヒソカに仕事中とは思えないなと思わず苦笑いが漏れた。