いっそ、恋でも。

自分次第 ページ34

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「雨止むかな」






スニョンの前にオレンジジュース、わたしとジュンさんの前にお茶の入ったコップが並ぶ中、話題が切れた合間にスニョンが挟んだ

外からは未だに強い雨の音がする






「電車止まんないといいけど」


「まあ最悪泊まってけば？」


「それはだめ」








喋ったのはわたし、次にスニョン、最後にジュンさん

珍しく断定的な話し方をしたジュンさんを2人して見る







「え、ジュナ、もちろんお前も泊まるの前提だよ？」


「女の子泊めちゃだめでしょ」


「…そうなの？」






言葉の意図がわからず、聞き返したわたしにジュンさんは、相変わらず優しい笑顔で頷く







「だったら俺がちゃんと送ってく」


「…だってよ、A」







なんて返したらいいんだ

でもジュンさんがわたしを“女の子”扱いしたのはわかりやすいくらいにわかった


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むず痒い空気を察してかスニョンはたくさん喋った。とにかく喋った






「ハァ…ハァ…おかげで息切れ」


「お疲れ」







ジュンさんに電話がかかってきてリビングを出て行ったタイミングで、スニョンはぐったりと項垂れた







「まあ、あとはA次第だね」


「…わたし次第って」


「好きなんでしょ？ジュナのこと」




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ちょっと待てよ、わたしの動機って
ミレに、イケメンが近くにいればモチベーションになるとか教えてもらって、じゃあ確かあんな人見たな、でジュンさんを意識して

接するようになっても顔が綺麗だとか美しいだとかでずっと緊張してガチガチだったし







「…顔、」


「顔？がどうしたの？」


「正直顔から入った…」








ジュンさんの中身にちゃんと目を当てられてたかな

見えてるものは本当に正しいのかな

わたしの言葉に、スニョンはナハハッと笑う







「動機とか別に関係ないでしょ」


「いやでも…」


「そんなんどっから入っても自由だよ。当の本人があんな自由なんだから」







答えになってんだかなってないんだか

でもわたしはきっと、いずれ、ジュンさんを好きになってたはずだ

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