いっそ、恋でも。

止まる ページ4

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名前も知らないあの人に会ったのは、モチベ作戦を動き始めて3日目のこと

その日までも、“かわいくなったね”とか、“彼氏できたの？”って言葉は何度かもらって、てことは前のわたしはやっぱり枯れてたのかな、と反省

でもこういうのって案外言われてもすごくうれしいわけじゃないんだな、わりと今は自分のために身綺麗にしてる感じだから







「A行こ行こ」


「はいはい」









どっかの部署におつかい頼まれてたんだよな

ちゃんと聞いてなかったけど、スニョンはちゃんと聞いてるはず、なんて社会人失格なわたしは腰を上げ、踵をぴょんぴょん上げ下げして急かすスニョンについて行く



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「俺若干経理部怖いんだよね」


「なんで？」


「なんかみんなピリピリしてね？まあ大事な役割だからしょうがないんだけどさ〜、尊敬しちゃう」





てことは今向かってるのは経理部ってことね

たしかに前行った時は、たまたまかもしれないけど対応してくれた方は少し怖かったような。まだ新入りで緊張してたからそう思ったのかな。


先陣切って経理部を訪ねるスニョンに続き、緊張しながらもやり取りを済ませて、さあ帰ろうとした時








入れ違いに、フロアに戻ってきたのは、頭の中で何度も思い出したあの人で

あ、っと思うのと、強張る身体

よく言う“時間が止まったような”っていう感覚をここで初めて知った







目が合って、その視線はわたしの後ろに移って、端正な顔立ちをふにゃっと綻ばせたその人は







「スニョンだぁ」


「わぁ〜ムンジュニだぁ」






まさかの同期の同期。

てことはわたしの同期でもあるってこと。

……こんな人いたっけ？！いたら絶対わかるのに

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