恋じゃない…… * Kento.N

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勝利は、私たちがまだまだ小さかった頃……

たしか小学生くらいの時にどこかに引き取られた。

物心ついた頃から勝利はいたから

あの頃はたぶん風磨より私と長い間一緒にいた。









あの頃は、まだまだなにも一人ではできなくて

よく私の後ろをついて歩いてた。

どれだけ歩幅を合わせても全然ついてこれなくて、

結局途中で泣いちゃって私が抱っこしてたっけ。









風磨がきてからもそれは変わらなくて

風磨と遊んで組んでは倒されて、

びーびー泣きながら私のところに走ってきてた。









そんな可愛いかった勝利がこんなかっこよくなるなんて……









『もう中学生か〜………………』

((うん、Aちゃんは高校生だもんね〜……))









久しぶりにあったからなんだかしみじみしちゃって

しばらく2人で笑ってたら遠くから私を呼ぶ声。









《Aー？》









その声はどんどん集団で近づいてきて、

隣にいる勝利をみて変な顔をする。









みんなの前だから言うべきじゃないんだろうけど、









『風磨、勝利だよ。』









久しぶりの再開に浮かれて私は声が出る。









《は？勝利？》

((え、風磨くん………………!?))









風磨は今ハメを外して金髪だから

勝利も驚きを隠せないみたい。









《相変わらずひょろひょろだな〜!!笑》









それでも会えたのが嬉しいみたいで

ひょろひょろだという割にはわりと力強く確保。









((ちょ、風磨くん！痛いって……!!笑))









そう言って楽しそうにしてる姿は、

昔と比べれば2人とも大きくなりすぎたけど

それでも変わらず楽しそうで仲が良くて

あぁ、昔はこうだったなって思い返してしまう。









昔と今。

どこか壊れ始めていた私と風磨を

突然現れた勝利が少し修復してくれた感じがする。









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それでも、その勝利が

どこか苦しくて辛そうなのはなぜだろう。









どこか、違うのはなぜだろう。









少し引っかかる原因がイマイチよくわからない。









だけど、今だけは……









((Aちゃん……助けてっ………!!))

『もー風磨。やめてあげなよ笑』

《いや、A笑ってるから笑》









気づかないふりをしていよう。









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