恋じゃない…… * Kento.N

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your side









『え…………………………？』









ふわり、中島くんの香りに包まれながら告げられた言葉は

私が今1番悩みで答えの見つからなかった言葉。









甘い、甘い彼の香りに包まれて

ただでさえパンクしそうな頭がくらくらしだす。









それでも、どこかおかしい………………









そう気づいた時にはもう遅くて

私を抱きしめていた彼がどっと、私にもたれ掛かってくる。

そして聞こえてくる荒い息遣い。









『え、中島、くん……………………!?』









思っていたよりも重くて少しよろめいたけど

なんとか必死で支えて休憩室に連れ込む。





幸い他の従業員がいてくれたから

バトンタッチして改めて彼の顔を見て、触れれば









『あっつ……………………!!』









思っていた以上の高熱だった。

とりあえず意識が戻るまで

中島くんは休ませることになったんだけど……









『なんで、私……………………。』









何かあるといけないからって

なぜか私がつきっきりで見守ることになった。



いや、私まだお仕事の時間なんですけど……









でも、









「はぁ……はぁ………………」









目の前で苦しそうに眠る彼を見れば

もうそんな事考える暇はなくて









『冷えピタ、意味無いじゃん……』









はやく、良くなって欲しくて願いを込めて

ぎゅっと優しく彼の手を握る。









その手を握る行動で、頭の中にふとよぎること。









『恋じゃ、ないよね……………………』









ねぇ、中島くん？




あなたの好きは、どんなものなんですか？




叶えてもいいと、叶えたいと強く想うものですか？









もし、例え一瞬でも感じた私の好きと

あなたの好きが同じなら私は………………………………









『ごめん、なさいっ…………………………』









応えたくても、









応えられないのっ……………………………………。









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