恋じゃない…… * Kento.N

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北斗「それはさ、恋じゃない？」

『……………………恋…？』









中島くんと話をした後、

みんなが集まる教室に入れば風磨の機嫌は直っていて

楽しそうにほかの子達と馬鹿騒ぎしていた。






そんな中、一人だけ冷静にご飯を食べていた北斗くんに

さっきからするもやっとした感情を伝えればそう返ってきた。









北斗「その人を考えるとぎゅっとして苦しい？」

『うん。』

北斗「その人を考えると他のことが見えなくなる？」

『うん。』









優しく一つ一つ私と一緒になって考えてくれる。

その上げる候補がどんどん中島くんを想うと当てはまる症状だ。









でも、一つだけわからないこと。









北斗「その人の事が、好き？」









この質問だけは肯定出来ない。









『………………わかんない…。』









好きって感情なんて、

生まれてこの方持ち合わせたことがない。








そもそも、









『好きって、どんな感じなの……？』









北斗「……………………そこからかぁ…苦笑」









苦笑いする北斗くんは、

いきなり私の手を掴んで握手してきた。









北斗「ぎゅって、なった？」

『ううん、びっくりした………………!!』









急に掴んでくるから

本当にびっくりした私の顔を見て北斗くんは、









北斗「この瞬間、ぎゅってなったら好き……




つまり、恋してるってわけ。笑」









そう、子どもに教えるように優しく言ってきた。









『………………北斗くんは、恋したことあるの？』









その優しい仕草のせいで、

聞いていいのかもわからないまま質問したら









北斗「俺？まぁ、今してる……かな？笑」









そう、また優しく言ってきた。









手が、繋がれたままなのに気付かずに。









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