恋じゃない…… * Kento.N

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Fuma side









なんで、なんでまた中島なんだよ……









《………………A、帰るぞ。》

『あ、うん………………。』









申し訳なさそうに下を向いてる中島に余計腹が立って、

買い物袋とAを奪いさるようにその場から逃げる。









『…………………………///』









帰ってる間もまだほんのり赤いAの頬が

嫌で嫌で仕方がない。









俺がキスをしたって、

身体を重ねたって、

一度もそんな表情した事なかったのに。









あぁ、女々しい。

女々しい女々しい女々しい女々しい女々しい女々しい……









《…………………………ﾁｯ。》









なんだよ、この感情。









『………………風磨……？』









小さくしたはずの舌打ちのせいで、

Aのほんのり染まった頬や、

当たり前のように隠された首元を見る事になった。









それが、余計この女々しさを掻き立てて……









《………………………………っ。》









この気持ちを堪えるように、

スーパーのビニール袋をぎゅっと掴んだ。









『…………………………？』









かさっ、と音のした袋を見たAは何を思ったか

反対の繋がれた手をぎゅっと握ってきた。









『早く帰ろ？食材悪くなっちゃう笑』









ほんのり染まった頬のまま、

優しくふわりと笑って手を引いた。









《……………………………………。》









その笑顔は、俺から見ても

俺に向けられた笑顔だけど………………






心は、そうじゃなかった。









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