恋じゃない…… * Kento.N

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Kento side









開けちゃいけないって、

薄々……いや、確かな確率で気づいていた。






だけど、開けなければ君を知れない。


どうか、身勝手な俺を許してください。


そう密かに願いパンドラの箱を開けば、









息を切らしながら俺を見上げるAちゃんと

そのAちゃんを泣きそうになりながら見つめるアイツ。

そしてその仲間もろもろ。









『中島くん………………』









ゆっくりと俺の名前を呼んだAちゃん。

それに比例して隣のアイツが俺を睨む。

さっきの涙はどこへ行ったのか。

優しくAちゃんを抱きとめていた腕をぎゅっと、

俺を威嚇するかのように抱きしめた。









《何しに、来たんだよ。》









そう発して更にきつくAちゃんを抱きしめれば、

一瞬痛そうに顔が歪んだ気がした。









それでも尚、目を逸らさないAちゃんに









俺はそっと跪いた。









『中島…くん……………………？』









不審そうに俺を見るその目は

汚れていようがいまいが、

俺は一瞬で吸い込まれそうになった。









「今日の帰り、一緒に帰ろ？」









『へっ…………………………？』









言葉に驚いて、

吸い込まれそうだった瞳が大きく更に見開かれた。









「Aちゃんと行きたいところがあるんだ。」









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