恋じゃない…… * Kento.N

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Fuma side









「ねぇ。」









まじでトイレに行った後、中島に声をかけられた。

生憎腹が減って仕方ない俺は

面倒くさいから無視して通り過ぎようとした。

でも、それはできなかった。









「君とAちゃんはどういう関係？」









何かを見透かしたような……

そんな嫌な視線で告げ、通り過ぎた俺の方を見てくる。









その視線が怖くて怖くて仕方がない。









だけどAを守るために









《……別に、ただの双子だけど。》









背中を伝う汗を隠すよう、正面を見る。









「………………そっか。」









あれ？って思うほど

あの目にしてはあっさり帰っていった中島。

出ていった瞬間気が抜けて、

それと同時に気持ち悪さが込み上げてきた。









《……おえっ……………………!!》









個室に急いで入り、吐き気と戦う。

朝ごはんなんてとっくに消化してるから

出てくるのは胃液だけ。

その感覚が余計気持ち悪さを増している。









《っはぁ……はぁ……………………》









やっと吐き気が収まったと思ったら

お昼の時間はもうほんの少ししか無かった。









《(A、心配してるかな……)》









精神的にも、肉体的にも疲れた俺は

ふらふらと足取りがおぼつかない中、

みんなが待つ教室に足を入れた。









……………………あれ、Aがいない？









《Aは？》

樹「トイレだって、てか帰ってきてすぐAの心配かよ！笑」









樹の言葉にみんなが賛同して、笑ってるけど

さっきの中島を見てからは………………









近くにAがいないと、いつも以上に怖い。









北斗「大丈夫、今行ったばっかりだから。」









俺の気持ちを呼んだかのように、

北斗がいつも通り俺にAの事を教えてくれる。









なぁ、お前達はどこまで勘づいてるんだ？









俺達をその目で、どう捉えてるんだ？









みんなには、俺達がどう見えてるんだよ……









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