・ ページ44
.
パッと離せば訪れる沈黙。
そんな沈黙の中先に口を開いたのはAだった。
『あ、ありがとね！なんか…ごめんね』
じゃ、と行こうとするAの腕をもう一度しっかりと掴む。
あれ、Aの腕ってこんなに細かったっけ。ちゃんと食べてるのかななんて心配になる。
『な、なに？！』
片寄｢好き。｣
なんでこのタイミングなんだろう。
なんで、言ってしまったんだろう。
もう、どうにでもなれ─────
片寄｢Aの事、好きなんだよ。俺。｣
『やだ、やめてよ、何言ってんの』
絶望的、みたいな表情で拒否をするAにもう一度だけ伝えた。
片寄｢聞いて、A｣
『やだ、ダメ、それ以上言ったら』
片寄｢好きなんだよ。ずっと前から。きっと出逢ってからずっと。
Aがくれた言葉の一つ一つが俺を作ってきたんだ。
どんなに辛い事があってもAの言葉さえあれば──｣
『辞めて！！！！！』
静かな廊下にAの叫び声が響く。
片寄｢っ、……後悔は、してないよ｣
突然、下を向いていた顔を上げた顔を上げればその顔は無表情でただ何も無い目で俺を見ていた。
『……辞めてって言ったよね。ふざけないでよ。
そんな事言われたってどうしようもないの。
私達芸能人なんだよ？』
片寄｢知ってる。そんな事は知ってるよ｣
『じゃあわかるでしょ？熱愛とか出ても困るのはお互いだよ。
私はアイドルで、ファンの人達からお金を貰って生活してるの。
だから恋愛とか言ってファンの人を裏切ったりできないの！！』
なんだよ、それ……単に彼氏がいるから無理だよって断ればいいじゃん。
それだけを言えばいいのに、なんで、そんな“芸能人じゃなかったら、アイドルじゃなかったら付き合える”みたいな言い方するんだよ。
片寄｢……じゃあ、もし、俺らが芸能人じゃなくして出会ってたら？｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 278人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーあ - 芸能人だからって好きな人とくっつかないくせに、あっちにふらふらこっちにふらふら。ご都合主義なお話ですね。 (2018年5月1日 12時) (
レス) id: 5fc67c41e7 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 主人公に追い討ちをかけるように次々と恋愛がらみの事が起きて、切なくて可哀想になります！ぜひ涼太くんとくっついて幸せなハッピーエンドになってほしいです！ (2018年4月22日 15時) (レス) id: c776edb7b6 (このIDを非表示/違反報告)
みうらむ(プロフ) - すごく面白くて楽しみにしてます^ ^瀬名ちゃん切な過ぎて、こっちではハッピーエンドになって欲しいなぁ。 (2018年4月17日 23時) (レス) id: 5791f12782 (このIDを非表示/違反報告)
luvyt49(プロフ) - 早くくっついてほしい!もどかしいし切なくなる (2018年4月16日 1時) (レス) id: 8135c1fd36 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとうですこの小説最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます作者さんの小説大好きです (2018年4月14日 8時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラベン
| 作成日時：2018年4月13日 22時
