貴方達と、出逢えた奇跡 １１ ──

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北村｢DISH//の歌で恋愛ソングがあったら必ずAちゃんにの事思い出してAちゃんに向けて歌ってるんだよね。

でもAちゃんそんな事知らないからただ僕の“ファン”として純粋に僕の事を好きでいてくれてさ。

嬉しいんだけど、……いつか、独り占めしたいなって思うことがあったんだ。

だけどその感情ってさ、お姉ちゃんとは違うの時に芽生えたものなんだ。

それってつまりさ、役としてヒナちゃんを安保圭太が好きなのか、Aちゃんとして北村匠海が好きなのか。

もう……分かんないんだよね｣




悲しそうに下を向く匠海くんに胸が変な音を立て始める。





北村｢……なーんてね！！！｣


『へ、』


北村｢どう？俺、演技上手い？｣





ニッコーって笑って残っていたレモンサワーを煽った匠海くんに呆気にとられる。





北村｢ごめんごめん、そんな顔させたくて言ったわけじゃないんだけどなぁ(笑)｣


『い、いや、だってびっくりするでしょ！！』


北村｢ふははは！！！ごめんごめん！｣





ケラケラ笑いながらご飯をかきこんだ匠海くんはどこか目が虚ろで、また胸がドキリと音を立てた。








北村｢……じゃあ、気を付けてね｣




ちょっとした違和感を感じながらもそサシ飯はあっという間に終わってしまい、帰る時間となった。



バイバイ、とタクシーに乗る私に手を振って微笑む彼に私も手を振り返す。




ふと窓を通して彼を見たら目が合って──









“ ず っ と 好 き で し た ”









そう、彼の唇が動いた気がした。




何も言えることが出来ずにタクシーは発進してしまい、窓の外を見たまま私は固まった。




私は、どうしたらいいのだろうか。




仲の良い友達ではいられないのだろうか。



憧れの対象ではいられないのだろうか。




何故、男女間には恋愛感情が芽生えてしまうのだろうか。




この世界の残酷さに悲しくなり、また一人涙を零してしまった。



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