8. 今度は私が… ページ8
あれから和には、
「あいつとは関わらない方がいい」とか「もうあいつとは喋んない方がいいんじゃない？」とか言われたりしたけど、
私には大野先輩が悪い人になんてどう考えても見えない。
だってあの時、ぶつかった時の「だいじょぶか？」って聞いてくれた時の優しい表情は到底悪い人になんて出来っこない。
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「あ〜体育やだ……」
優「なんで？楽しいじゃん！」
週二回だけある体育。でも私にとっては……、週二回もある体育、だ。
本当に体育の授業出るの億劫……。こうやって運動場にいるだけでしんどいのに……。
優ちゃんは運動神経もいいから体育の時間になったらいつも以上に元気だけど…
「…………あ…先輩…？」
ふと屋上の方を見上げると、金色に輝く頭がひとつ。金髪のおかげで遠くからでもはっきりと大野先輩、だってわかる。
「…………ぇ……？」
最初はただ目をこすってるだけだと思った。
だけど……泣いてる……？もしかして涙を拭いてる……？
その時、先輩の瞳が私を捉えた気がした。
優「……A？どした？」
「ごめん、私のこと体調悪いから授業休むって先生に言っておいて」
優「…え？ちょっと……！」
.
ただ、心の底から先輩が心配だと思った。
今度は私が先輩に「大丈夫ですか？」って。
その一心で屋上までの階段を駆け上がった。
.
ガチャ。
ドアを開けると
金髪頭は振り返って、あの時みたいに目を細めて微笑んだ。
智「来るんでねぇかと思った(笑)」
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作者名：いろぱむ | 作成日時：2016年4月6日 23時
