7. りんご ページ7
後ろに何か人影を感じて振り向くと、
「…和….！」
智「……和…？」
和「おう……あまりにも遅えから来てやった」
「ごめんごめん、途中で大野先輩とぶつかっちゃって……っ」
智「…………。」
和「…なんすか」
大野先輩が何かを考え込んでるみたいに和の顔をじーっと見てる。
かと思えば、突然何かを思い出したように、あって声をあげて
智「この和ってやつと青春してんの？」
「………へ…？」
青春？どういう意味…？
もしかして……付き合ってるって聞かれてる…？
「和は…ただの幼馴染みです」
智「へぇ〜ただの…幼馴染みねぇ」
先輩は拾い集めたプリントを床でトントンと合わせて
智「どーぞ、残りのプリント」
「……ぁ…ありがとうございます…」
.
和「ほら、早くそれ職員室持ってくぞ」
「あ、うん。……じゃぁ、」
先輩に背を向けよう、とした時
智「……んぁー、待って」
「………ぇ…」
気付けば先輩に腕を掴まれていた。
そして照れ臭そうに金色の髪をくしゃくしゃさせながら
智「……んや、まだ名前聞いてねぇなって」
「……あ、藍川です…」
智「じゃねくて…、下ん名前教えて欲しいんだけど」
「………A、です…」
智「もうぶつかんねぇようにしろよ？Aちゃん(笑)」
「…………っ…！…」
智「んふふ、りんごみてぇ(笑)じゃあ、またね」
.
.
和「……なに今の」
いやいやいや…！それ私の台詞だってば…！
目を細ませてあんな優しく微笑まれながら頭ぽんぽんなんてされて、ドキってしない女の子とか普通いないよ？
自分でもわかるくらい今の私の頬っぺたは火照っている。
.
それからの私はさっきの大野先輩のことで頭がいっぱいいっぱいだった。
.
8. 今度は私が…→←6. 男の勘 (Kazunari side)
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作者名：いろぱむ | 作成日時：2016年4月6日 23時
