赤い仮面は知っている【探偵チームKZ事件ノート】

鬱陶しい周り ページ2

美門「ずっと言おうと思ってたんだけど、この前、病院に忍込んで争った時のお前、超・かっこよかった。若武たちが惚れるのも、分かったよ。それと・・・」


すると、美門くんは声を小さくして言った。


美門「お前、表の人間じゃないって言ってたけど、俺、そうは思わないよ」


A「え？」


美門「だって・・・」


「美門、そろそろ休憩終わるぞ！」


美門「あ、はい！ごめん、また後で」


美門くんが、何を言おうとしたかは分からないけど、先輩に呼ばれて、そのまま行ってしまった。


だって・・・の続きはなんだったんだろう？


気になるな。


すると、後ろから誰かに飛びつかれた。


「ねっ！美門くんと何話してたの？」
「教えてよー」


わ、先輩たち。


美門くんは上級生にも人気が高くて、既に10人くらいから告白されてるっていう噂。


脅威の美貌だね・・・。


A「別に大した話じゃないですよ」


「えー隠さなくてもいいじゃん！」
「あのさ、今、美門くんて彼女いるの？狙ってる子がいるんだけど、今度、紹介してあげてよ」


美門くんのことになると皆こう。


時には「好きなの？」とか「彼女なの？」という女子の痛い目を浴びせられながら、質問されることも。


その時はいつも「彼氏いるから」って突き通してるんだけどね。


全く、なんで美門くんのことになると女子はこうも変化するんだろう。


これも美貌の力なのかな。


まぁ、こういうことで困ってるのは美門くんのことだけじゃないんだけど。


部活が秀明に間に合う時間に終わって、久しぶりにスマホを触って通知をチェックしていると、若武くんからは20件以上電話がかかってきていた。


他には、ちょこちょこ上杉くんや黒木くん、他の人たちからも電話がかかってきてて、それをチェックしていると、部活が同じ子たちがスマホ画面を覗き込む。


「若武くん、ばっかからかかってきてんじゃん！」
「え！？KZのっ！？マジじゃん」
「黒木とか上杉からもかかってきてる。どうやって交換したの？上杉とか、交換してって頼んでも絶対してくれないのに！」
「テクとかあるわけ？」


はぁ・・・また始まった。


どうしてKZ、KZってなるんだろう。


KZと友達や恋人になれば、モチベが上がるだのなんだの・・・どうしてそこまで気にするんだろう。


最近では顔が整ってるかそうでないかで友達を決める子もいる。


そういう思考を持ってる子は理解し難いし、友達になろうとも思わない。


そんな日々にゲンナリしながらも秀明へ向かった。

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