ハート虫は知っている【探偵チームKZ事件ノート】

美門翼あらわる ページ10

美門「ああ、俺に負けた奴」


2人とも知り合いなのかな？


A「若武くんと、知り合いなの？」


私が聞くと、美門くんは軽く首を何度か縦に振った。


美門「昔のことだけどね、話していい？」


若武「話さなくていい」


若武くんは、また不機嫌そうだ。


テロ撲滅のこともあって、私が来た時から不機嫌だったし、しばらくは若武くんと関わりがないようにしよう。


さっき、立花さんをフォローした際に、私に怒ったのは、テロのこともあると思う。


しばらくは、大人しくしておいた方が若武くんの機嫌を損ねなくて済むかもね。


私がそう思っていると、立花さんが見回して、美門くんの紹介を始めた。


立花「うちの学校の転校生。転校1ヶ月目だけど、もう注目されててアイドルだよ」


うん。そのおかげで、私のいつもの日常が戻ってきた。


立花「私とAのクラスに来たんだけど、成績いいし、運動神経もいいから、もしかしてKZの力になってくれるかもしれない。あ、名前は、美門翼。美しい門に、翼だよ」


瞬間、私は立ち上がった。


立花さんが、私のこと名前呼びで言ってくれた。


なんだか・・・感激！


立ち上がった私に驚く立花さんを見て、微笑む。


A「名前呼び。ありがとう」


立花さんはポッと顔を赤くして言った。


立花「ご、ごめん！つい・・・」


A「いや、全然。名字呼びで、さん付けなんて、よそよそしい感じがするし、皆も名前で呼んでるから、その方が反応しやすい。私も、アーヤって呼んでいいかな？」


立花さんはコクッと頷いて、了承してくれた。


よかった。KZのメンバーは、立花さんのことアーヤって呼んでたから、私もずっと呼びたかった。


いきなりアーヤって言ったら、ビックリするかと思って遠慮してたけど、了承してくれて一安心。


すると、美門くんは立花・・・アーヤの顔を覗き込んだ。


美門「立花、なに寿の顔みて赤くなってるんだよ。立花って、こういう顔のやつ好みなの？」


アーヤはさらに顔を赤くする。


立花「ち、違うよ」


そんなアーヤも可愛くて、私はアーヤの両手を握って言った。


A「そんな照れないでよ。私、いつでも相手してあげるから」


立花「からかわないで！」


アーヤはパッと手を振りほどく。


A「はぁい」


黒木「寿って、女にもモテるよね」


美門「うん。女子も男子も危険な香りがして、たまらないって。それに、お前って確かダンス部だったよな？踊ってる姿も、スタイルいいからキラキラしててカッコいいっさ」


皆は目を見開いた。

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