若武のトラウマ ページ12
若武「あいつ、俺のトラウマ。小学2年の時、ダンスの全国大会で最終までいって、そこにあいつに負けたんだ。それで俺、ダンスやめた」
へぇ。若武くん、ダンスやってたんだ。
で、負けた相手が美門くんだったってわけね。
上杉「美門をKZに入れたら、どうよ」
うん。何か力になってくれそうだしね。
ところが、若武くんはきっぱりと首を横に振った。
若武「ダメだ」
なんでっ!?
若武「KZは今、メンバーを募集してないし、それに」
若武くんの声に重ねるように、黒木くんが言った。
黒木「あいつは、若武より顔がいい。で、ダンスも上手くて頭もいい。つまり、あいつをKZに入れると」
その先は、私たちは、声を揃えていっせいに口にした。
全員「「「若武が目立てないっ!」」」
顔を見合わせて、どっと笑い転げていると、若武くんが立ち上がった。
若武「俺、帰る・・・」
ションボリしている若武くんが心配になったけど、すぐに上杉くんが立ち直らせて、社会奉仕団KZを継続することになった。
塾も終わり、家についてベットの上でゴロゴロしていると、若武くんから電話が!
A「もしもし」
若武「あ、俺。KZの奉仕活動についてだけどさ、お年寄りに向けて、自分のすべきことを考えといてくれよ。土曜日の13時、駅の改札前に集合な」
A「わかった。でもさ、こんなことしてお年寄りの人たち、喜んでもらえるのかな?」
ボヤくと、若武くんはムキになって言った。
若武「何言ってんだ、喜ぶに決まってるだろ!?美門を超えるにはこれしかないんだっ!」
うーん、奉仕活動なんかで、あの美門くんには勝てない気がするのは私だけかな?
そう思っていると、若武くんは話を切り替えた。
若武「あとさ、お前の周りでなんかヤバイ事件とかないのか?不良界、シメてんなら、それくらい分かるだろ?なっ!教えてくれよっ!そんで、テレビに出るんだ!」
電話の向こうでイキイキとしてそうな若武くんに、私は冷めた声で返答する。
A「残念だけど、ない。あったとしても言わない」
若武「なんだよ。また、お前だけ目立つ気か!?」
なんで、そっちに行くの!
不良界って、みんなが思ってる以上にヤバいことしてる奴は、山ほどいるんだよね。
でも、私のところはそういうの、させないようにしてる。
そのために私がいるようなもん。
道を踏み外しそうな不良たちに、手を差し伸べて、仕事や勉強の楽しさを教えてあげたりするんだ。
大変だけど、結構楽しいよ。
そう思っていると、若武くんが溜息をついて言った。
68人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こはる(プロフ) - dosakaharukaさん» ありがとうございます! (2020年1月8日 22時) (レス) id: 48812d91ce (このIDを非表示/違反報告)
dosakaharuka(プロフ) - 面白いですね! (2020年1月8日 22時) (レス) id: f09f1bedcf (このIDを非表示/違反報告)
月光(プロフ) - こはるさん» いえ、分かりやすかったです!ありがとうございます! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 79e326df1d (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 月光さん» 長文すみません!上手く説明出来ているでしょうか?(汗)分かりにくいようなので、書き直しておきますね! (2019年6月2日 18時) (レス) id: ef9382760b (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 月光さん» 言っていると思っていましたが、自分のことベルモットと名乗り、その後に登場した安室透のコードネームがバーボンだということを知りました。その時点で、キティというのは「子猫」という直訳でなく、カクテルのことを言っているのではないかと気づいた設定になってます (2019年6月2日 18時) (レス) id: ef9382760b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こはる | 作成日時:2019年3月28日 0時