59：蘇生 ページ23
,
上杉と黒木が傍により、しゃがみこんで何かを話し合っており、小塚は真っ青になって目をつぶっていたし、若武は檻の中の動物のようにあちこちを歩き回っている。
『はっ……はぁ』
私は息を切らしながらも、山崎勉の人工呼吸を続ける。
『山崎君！死んではいけないわ……っ！』
遠くからサイレンの音が聞こえてくる。
消防隊が彼の傍に近づくまで、私は一息もつかなかった。
「警察だけど、通報したのは、君たち？」
警察手帳を見せたのは、中年の、ジャケットを着たおじさんだった。
「発見したときの状況を、教えてくれないか」
若武は、ずいぶん興奮していて、言葉が出てこなかった。
それで、かわって黒木が説明した。
山崎について知っていることを全部と、公園で待ち合わせしていたこと、その目の前で急にこんなことになったので、すぐこの場にかけつけて消防署と警察に連絡したこと。
「なんのために、ここで待ち合わせていたんだい？」
黒木くんは一瞬、視線を上杉に走らせた。
ふたりの目の中で、短い話し合いがあって、黒木が答えた。
「ここで遊ぶことになってたんです」
警察官はそれで納得した。
そのあと、私たちは、住所や電話番号を聞かれた。警察官の態度は、いばっていて、私は何とも感じなかったが皆は不満そうだった。
「俺たちは、目撃しただけです。なんで名前や電話番号を言わなきゃならないんですか」
「また聞きたいことが出てくるかもしれないからだ」
警察官は上杉を睨む。
「名前と住所と電話番号を言ったら、もういいから、家に帰りなさい」
追い払われるように、私たちは、公園を後にした。
「ちっきしょう！無礼な奴らだ。これらは、俺たちは発見したんだぜ。第一発見者に、敬意を払えよ」
若武の叫びに、上杉が黒木を見てニヤッと笑った。
「だから砂原ミートについては、話さないことにしたんだ」
そのころになってようやく元に戻った小塚が、溜息と共に言った。
「いいよ。砂原ミートと今日のことは、どうせ関係ないもの」
彼の言う通りだ。それにしても、なぜ山崎勉は、あんなことをしたのだろう。若武に相談があると言っていたけど何か関係があるのかしら…………。
「山崎勉は死んじゃってた？」
立花さんに聞かれて、私は瞼を落とした。
『微妙なところよ。彼、脈がなかったもの』
そして過去を思い出した。スコッチが左胸に打ち込み、ぐったり倒れ込んでいる姿を＿＿＿＿＿。
,
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
？？？ - 今頃、KZ✕コナン と言う事に気づいた。(バーボンの所で気づいた)) (2022年12月18日 22時) (
レス) @page25 id: a3d070ab9a (このIDを非表示/違反報告)
ピンカン(プロフ) - 応援してます！！！ (2022年3月24日 12時) (レス) id: 4d85ff89bb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - KZ×コナン！めっちゃ面白いです！応援してます！ (2022年3月10日 13時) (レス) id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
絵 - 最高です！これからも応援しています (2021年11月10日 21時) (レス) @page21 id: a4d316c6c5 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 面白かったです！頑張って下さい！ (2021年3月11日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こはる x他1人 | 作成日時：2021年3月11日 17時
