49:Kir ページ13
,
『もしもし』
「久しぶりだな」
低く透き通った声を通して重圧を感じる________。
『珍しいわね。貴方から連絡をよこすなんて』
「あぁ。少し聞きたいことがあってな。お前が組織にいた頃、キールって名前、聞いたことあるか?」
キール……。
ショートドリンクに分類されるカクテルの一種で白ワインに少量のスグリのリキュールを加えたもので「ヴァン・ブラン・カシス」とも呼ばれる酒の名称。
『あの方からの命令だ。キールを探れと』
『怪しいですもんね。あの女……』
そういえば一時期、ジンとウォッカが探っていることを耳に挟んだような……。
私の中で過去の記憶が蘇る。
『ええ。小耳に挟んだ程度だけど、聞いたことはあるわ。かなり疑われていて組織からは信用されていなかったようだけど』
ライの中で何かが確信に変わったのか、彼はフッと鼻で笑った。
「なるほど」
『なに?そいつと対決でも?』
「いや……。お前がキールの正体を知ったら、驚くと思ってな」
何処か楽しそうに話す彼の声を聞いて、私は冷めた態度をとった。
『何を企んでいるかわからないけど、健闘を祈るわ』
それだけ言って電話を切る。
ライは組織と対決する時、いつも楽しげだ。
他の皆は緊張で張りつめているというのに、彼ときたら…………。
右手に持っていたスマートフォンをリュックの中にしまい、門を出る。
さて、FBIと組織が派手にやりあうのなら、身を潜めなくては。
そう思いいたり、私は家路を急ぐのだった。
,
111人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
??? - 今頃、KZ✕コナン と言う事に気づいた。(バーボンの所で気づいた)) (2022年12月18日 22時) (レス) @page25 id: a3d070ab9a (このIDを非表示/違反報告)
ピンカン(プロフ) - 応援してます!!! (2022年3月24日 12時) (レス) id: 4d85ff89bb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - KZ×コナン!めっちゃ面白いです!応援してます! (2022年3月10日 13時) (レス) id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
絵 - 最高です!これからも応援しています (2021年11月10日 21時) (レス) @page21 id: a4d316c6c5 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 面白かったです!頑張って下さい! (2021年3月11日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こはる x他1人 | 作成日時:2021年3月11日 17時