検索窓
今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:13,817 hit

48:砂原 ページ12

,




立花さんは、砂原の一件を聞いて青ざめたが食い下がる。

「私のことは放っておいて。若武だって勝手にデートの約束してたくせに、私のことだけ口出しするなんておかしいじゃない」
「俺の相手は、砂原みたいなヤンキーじゃないんだ。一緒にするな」
「私だって一緒にされたくない。理由も聞かずに簡単に男を振るような軽い女と、私のクラスメイトを」

2人は物凄い勢いで睨み合い、その間に黒木が入って止めた。


「熱くなりすぎだよ」


若武は仕方なさそうに溜息をついて横を向いた。
しかし、アーヤはノートをたたみ「帰る」と言って、そのまま部屋を出て行ってしまった。



何故、彼女はそこまで砂原にこだわるのだろうか。


校内で見かけただけなら、ここまで庇う理由はない。


「隣の席だ」と言っていたので既に仲が良くなっているのだろう。



「何であそこまで砂原にこだわるんだ」

ムスッとした様子でベッドに戻る若武。

「須藤も砂原のこと知ってるだろ?」
『……まぁ』

小塚に話を振られた私は目をそらして返事をした。



「そういや、たまにお前が小学部のマネしてた時、いっつも絡んでたよな」



若武が目を細める。

『ええ。彼が話しかけてきたこともあるけど、休憩時にはドリンクを配ったり、怪我をした時には手当てをしていたから……』
「砂原って、そんなに良い奴だったのか?」
『…………さぁ。けど、根はとても優しいんじゃないかしら。私が何かしらするたびに「ありがとう」と御礼を言ってくれていたし』
「悪かったな。言わなくて」

余計な一言のせいで、主人だけでなく他の男達の機嫌も悪くした。

私としたことが……。

しかし、事実だ。目の前にいるサッカーチームKZ部員含め、差し入れやスポーツドリンクを渡す際に御礼を言ってくれる人は少ない。

はじめは何とも思っていなかったが砂原に「ありがとう」と言われたとき、一瞬、思考が停止した。
それと共に辺りが輝いて見えたことはよく覚えている。



「今日の会議は終わりにしよう。アーヤ、怒って帰っちゃったし」



確かに小塚の言うとおりだ。この空気の中、会議続行は不可能。

「では、解散」

機嫌が悪い若武の声を最後に、皆はいそいそと帰りの支度を始める。



その途中、スマホのバイブ音が鳴った。画面を見ると「Rye」という名前が表示されている。





この男から電話がかかってきたということは……。

また組織が…………。

『ごめん。お先に』

私は後ろも振り返らず、部屋を飛び出すようにして皆と別れた。





,

49:Kir→←47:砂原



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
設定タグ:探偵チームKZ事件ノート , KZ , コナン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

??? - 今頃、KZ✕コナン と言う事に気づいた。(バーボンの所で気づいた)) (2022年12月18日 22時) (レス) @page25 id: a3d070ab9a (このIDを非表示/違反報告)
ピンカン(プロフ) - 応援してます!!! (2022年3月24日 12時) (レス) id: 4d85ff89bb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - KZ×コナン!めっちゃ面白いです!応援してます! (2022年3月10日 13時) (レス) id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
- 最高です!これからも応援しています (2021年11月10日 21時) (レス) @page21 id: a4d316c6c5 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 面白かったです!頑張って下さい! (2021年3月11日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こはる x他1人 | 作成日時:2021年3月11日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。