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47輪ー終幕ー ページ8

「うるせえ!!悔しいが、こいつは、すげぇんだ!鬼をスパッと斬ってな!!動きにも無駄がねぇんだ。早ぇし力も強ぇ」


「伊之助……」


伊之助も、炭治郎と同じように鬼殺隊として見てくれていて、嬉しかった。心がポッと温かくなる____。


「この折れた日輪刀も、さっき戦って出来たもんだ。婆の扱いが悪いわけじゃねぇ!!」


「………」


伊之助の思いを受け取ったのか、男は黙って刀を下ろし、鞘にしまった。フッと溜息をついて、山の奥へ向かう。


「お前達も、また違うのか____?」


そう意味深な言葉を残して、私達の前を去った。途端、伊之助が倒れる。


「伊之助!」


出血のせいで、もう立てないようだ。私は伊之助の肩を頸に回し、軒下へ移動する。


「呼吸で止血するんや。出来るか?」


「………うるせえ。分かってる」


ゼェゼェと息を切らせながら返答する伊之助を、私はそっと腕で抱きしめる。


「ありがとう」


伊之助が言ってくれた言葉や行動が嬉しかった。仲間を失ってから、私はずっと独り身で、手を差し伸べてくれる人は、誰一人としていなかったから……。心の内で泣き叫んでいる感情を誰にも伝えることが出来なくて、悩んで、それが苦しくて………。


それは、鬼である以上、仕方がないと思っていたが、やっぱり……自分の気持ちを共有してくれたり、尊重してくれる人がいることは、嬉しいことだ。


■□■□■□■□■

■□■□■□■□■


柱がきて数十分後、下弦の鬼は倒されたようで、(かくし)の数十名が山に入ってきた。隠とは、鬼殺隊と鬼が戦った後の始末をする部隊のこと。私達のところにも来た。


「待てっ!鬼だ!」


「くそ…。継子はここから反対側にいる。無理だ!」


怯える隠たち。私は、深い溜息をついて、伊之助から離れた。


「この子、運んだってくれる?」


隠たちは、顔を見合わせる。その時、空から伝令が聞こえた。


「伝令!伝令!伝令アリ!!炭治郎・禰豆子・Aノ三名ヲ拘束。本部へ連レ帰ルベシ!!炭治郎、額二傷アリ。竹ヲ噛ンダ禰豆子!!ソシテ、翠玉(すいぎょく)ノ髪色ヲシタA!!本部へ連レ帰ルベシ!!カァアア!!」


「………」


鴉の指令に、皆息を呑んだ。

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作品ジャンル:アニメ
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こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時

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