77輪ー指令ー ページ38
「カァアッ!!東本町ッ!東本町へムカエーッ!」
よし_______。
新しい日輪刀を左腰に下げ、産屋敷邸を出る。
久しぶりなので腕が鳴る。
グイッと肩を回し現場へ急ぐ。
「全集中_____花札の呼吸、壱ノ型……」
「お前もっ……鬼なのにっ!!ぐぁあああ!!」
日輪刀の切れ味は抜群だった。
硬い鬼の肉も、豆腐のように斬れる。
「新しい日輪刀、最高ーー!!」
両手を上げて喜んでいると、後ろから気配を感じた。
「うっぐ……」
一人の隊員が血を流して倒れている。
「ちょっ……大丈夫か!?すぐに隠さん来るさかいな」
応急手当をしようと手巾を出したが、その隊員は妙だった。
まるで鬼のよう……いや、鬼だ。鬼化している。
すぐに頸を斬り落とそうとしたが、その手はくい止められた。
「待てっ!!俺は違う!!」
叫ぶと、隊員はムクッと起き上がり、自ら腹にできた傷口を再生していた_______。
「貴方……」
「うるせぇ。これが俺の戦い方だ」
捨て台詞を吐いて男は身を翻し、そのまま産屋敷邸へ足を向ける。
その頃には鬼化はとけていた。
何なのだろう。この男は_____。
隊員のようだが刀を持っていない。
その代わりに鉄砲をぶら下げている。
「なぁ、刀は?」
聞いてみたが男は何も答えなかった。
鋭い目付き、鼻面を横一文字に走る大きな傷跡_____特徴のある顔だ。
「その傷は鬼と戦って出来たんか?」
「………」
「君、何歳?私より背が高くて体格も良えけど……階級は?戌よりも上?」
「………」
男は何も答えない。
「………ほな。また一緒になる機会があれば」
私は男より早く歩いて暗闇の中へ姿を消した。
まぁ_______鬼と喋ろうなんて思わないか。
にしても、変わった隊員だったなぁ。
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こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時