74輪ー罠ー ページ35
さて_______。
炭治郎達はいったい何処へ行ったのだろうか?
「勝手にうろつかないでもらえます?」
後ろから日輪刀を頸に突きつけてきたのは、那谷蜘蛛山に来ていた柱の女。
「なんも……後ろから刀を突きつけるやなんて失礼やないの」
私は表情一つ変えず、女の方に身体を向ける。
「炭治郎達は何処や?」
「………年上の方に対して、礼儀もなってないのね。貴方」
「あら失礼_______えらい身長が小さいから、てっきり年下かと。すんまへんなぁ」
辺りの空気がピリつく。
「私は貴方と仲良くしたいです。桔平さんのことは悲しいですが_____」
女が桔平の名前を出した瞬間、私は刀を引っ掴む。
ギシギシと音を立て、女の日輪刀は頸から離れていった。
女も負けじと両手で刀を持ち、力を込めるが、もともと非力な彼女には無理だった。
「桔平の名前を気軽に呼ばんといてくれます?」
「………何故です?私は桔平さんも立派な鬼殺隊だったと」
「悲しいなんか思ってへんやろ」
私の赤い目は怒りに満ち、禍々しく光る。
「私ら灯龍組が_______鬼舞辻と出会したんは、たまたまやない。仕組まれたもんや」
「………!」
そう。
今、考えてみればおかしいのだ。
私達が駆けつけた時点で既に20名以上もの鬼殺隊員が
一体の鬼にそれほど殺されれば、その鬼を十二鬼月だと予測し、一人か二人の柱が駆けつけるはず。先日の那谷蜘蛛山の時のように_______。
しかし、あの日は誰も来なかった。産屋敷邸の近くだったのに。
鬼舞辻が去った後でさえ_______。
桔平が鬼殺隊になった時点で周囲からは白い目で見られていたことは知っていたが_______きっと柱以上の上層部がやったに違いない。
今となっては誰かわからないが。
そして次に狙われるのは、桔平を捕食した私。
もちろん鬼舞辻にも。
「せやから。私は
「…………っ」
「鬼舞辻どころか上弦の鬼にも勝てへん理由がわかるわ」
捨て台詞を吐いて、その場を後にする。
しかし、私の中で一つ疑問が残った。
何故、鬼舞辻は桔平を捕食した私を喰わなかったのだろうか?
そうすれば日の下でも生きることができたかもしれないのに_____。
何か訳でもあるの………?
疑問は深まるばかりだった。
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こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時