71輪ー無惨(裏)ー ページ32
「おのれっ!私の獲物だぞっ!やめろっ!!」
私は桔平を咥えたまま、四つん這いになって獣のように逃げ回る。
「ええ…それ、で………ええA。俺を喰えば、お前は日の下でも生きられる」
桔平は私に喰われて死ぬことを望んだ。
このまま交戦しても、今の桔平と私では鬼舞辻に勝てない。
私は鬼化してしまい、日の下では生きられなくなった。
鬼舞辻に喰われるか、私に喰われるか____。
鬼舞辻が日の下で生きることが出来るようになれば、とんでもないことになる。
そう考えた桔平は、自嘲するように笑った。
そこに私が喰らいつく。
「おおきに。A_」
私は、美味しそうにガツガツと……涙を流しながら喰った。
『鬼は悲しい生き物だ。一度鬼になると記憶を忘れ、我すらも忘れてしまう』
お師匠様が言っていたことは本当だった。
生まれた時から一緒だった桔平ですら忘れ、喰ってしまった。
気づいた時には鬼舞辻はおらず、自分がした行動に、驚きが隠せず、口を開けたまま、呼吸困難を起こしたかのように、震えていた。悲鳴も出なかった。
「あ……が…」
即座に死肉を捨て、その場から離れる。
日輪刀を鞘に収めて_____。
私は、杉の木が鬱蒼と生茂った森に逃げ込んだ。
■□大正コソコソ噂話□■
このお話は前作である「彼岸花が咲く頃にー壱ー」の一輪目と繋がっています。
麓山讞が日の下でも平気な理由は、身体が金剛石だから____ではなく、桔平を捕食したからです。
柱合会議で、話している最中に思い出します。
■□ご報告□■
柱合会議が終わると、すぐに「無限列車編」に入ります。
まだお話を知らない方はネタバレ御注意ください。
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こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時