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63輪ー第二の家ー ページ24

灯龍さん____以降お師匠様は、隣村の山奥に住んでいるらしい。

荷物を抱え黙って後ろをついていると、お師匠様は優しく声をかけてくださった。


「怖かったろう。でももう心配はいらん。儂がいるからな。ええっと……Aだったか?桔平のことは好きか?」


この時の私は緊張していて、声が出なく、頸を縦に振ることしか出来なかった。

お師匠様は「はははっ!」と声を上げて笑う。


「Aは良え目を持っとるの。こいつぁ見たらわかる。良いやつだよな」
「み、見ただけでわかるんですか?」
「ああ。儂には人間の気が見える。才があればAにも見えるぞ」


最初、人間の気が見えるなんて、おかしいなぁと思っていたけど、鬼狩りでそのような能力を持っている人はそうそういない。

お師匠様は本当に凄い人だ。


「あの、桔平の右眼は………」

聞くと、お師匠様は顔を曇らせる。

「どうじゃろな。普通の鬼は、人間を喰い、力を蓄えておるから直ぐに蘇生できるのだが………桔平はそれをしておらん。現に、まだ蘇生できていない。覚悟はしておいた方が良いかもしれんな」

それは、右眼の失明を意味していた。あの時、私が庇いきれていれば____。
大切な幼馴染みを守れなかった後悔が渦巻く。
ああ。自分は役立たずだなぁ。

「そう自分を責めるでない」
「________っ」


心の中で思っていたことなのに、お師匠様は気持ちを察してくださったのか、頭を撫でてくださった。


其方(そち)が桔平の右眼になれば良い話だ」


胸が熱くなったと同時に、この人は本当に人間の気が見えるのだと理解した。

両目に水が張る。零れ落ちないようにすることが精一杯だった。


「鬼は悲しい生き物だ。一度鬼になると記憶を忘れ、我すらも忘れてしまう。鬼殺隊は鬼を倒す為にいるんじゃない______鬼を苦しみから解放する為にいるのだ」


朝日に照らされながら話すお師匠様は、とてもかっこよかった。
桔平の言っていた男らしいというのは、こういうところだったのだろうか。


「家に帰ろうぞ」


今日、私達の第二の家ができた。


■□■□■□■□■
人物紹介(過去編のみ)
■□■□■□■□■


【お師匠様】






【桔平】


64輪ー修行ー→←62輪ーお師匠様ー



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作品ジャンル:アニメ
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こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時

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