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62輪ーお師匠様ー ページ23

「人間と鬼は共存できない。交わることさえ不可能なはずだ。それなのに_______」
「俺も最初は人間だと……思っで生ぎでっきた。せやけどっなぁ……成長する度に、人間と掛げ離れでいぐっのを、認めだっ…ぐながったんや…」
「………自覚のない鬼。ならば楽にしてやろう」


「やめい_______」


男が再び刀を構えた時、後ろから押しこもった声が聞こえた。


(わし)の弟子に何しとる。(わっぱ)ども____」


黒髪に背の高い男、黄金(こがね)色の羽織を着て、左目には傷がある。

「貴方はっ!炎柱の……」

柱の二人は慌てて頭を下げた。

「良い。昔の話だ」

背の高い男は、ゆらゆらと揺れるように歩いてくる。


「そんなに気を張らんで良い。桔平よ」


その言葉に安心したのか、桔平は眠るように倒れ込んだ。

「桔平っ……!」
「心配ない。気を失っているだけだ。鬼の力を使って、疲れたのだろう」

ぐったりとした桔平を抱き抱え、不安げに男を見つめていると、俺は白く細い手を差し伸べる。


灯龍(ひりゅう)様っ!その者達はっ……!!」
「良いと言っておるのだ。だいたい…誰の差し金で儂の弟子達に手を出しておる」
「それは………」


義勇という男は、そこで口籠った。
灯龍という男は、見兼ねたように溜息をつく。


「______まぁ良い。儂は儂の好きにする」
「しかし、鬼の鬼殺隊員なんて……」
其方(そち)どもは分かっておらんなぁ。それとも見えておらんのか?この鬼人(きじん)から流れる清いものが」


灯龍という男は、桔平を脇に抱え、手荷物を私に持たせた。

私たちのことを「弟子達」と言っているということは、この人が桔平のいう師匠なのだろう。男らしい人と聞いていたので、容姿は体格が良く、顔は濃い男だと思っていたが、現実は真逆で、痩せ気味の体に、頬は雪のように白く、細い目に、瞳は水のように青かった。

それと灯龍さんからは優しさが滲み出ている。


「さぁ、儂の家に来い。女の弟子は久しぶりじゃ」


余裕のある大人の甘い香りに包まれて、不思議と安心した。

ああ、この人は良い人だ____。

心の底からそう思った。


別れ(ぎわ)、灯龍さんは柱達にこう宣告する。

「上の者に伝えよ____。鬼子は、元炎柱、灯龍靛栄(ひりゅうていえい)が引き受ける。そして鬼子が隊立違反を起こした時は、責任を請負(うけお)い、切腹致す。とな」
「なっ…!灯龍様っ!!」
「鬼殺隊に入って四十年____それくらいの覚悟はある」

柱達はそれ以上何も言わなかった。

63輪ー第二の家ー→←61輪ー鬼化ー



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作品ジャンル:アニメ
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こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時

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